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【2023年8月】首都圏分譲マンションの管理費・修繕積立金の考察

近年は物価高の影響をうけて管理費の高騰が続く

図表1:首都圏中古マンション 建築年別㎡当たり管理費・修繕積立金


(東日本レインズ「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金 (2022年度)」より作成。以下同様。)

東日本レインズより、「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」が発表されました。
これによると、2022年度に東日本レインズを通して成約した首都圏中古マンションの月額管理費は、1戸当たり平均12,480円、修繕金は11,474円で、その合計は23,954円でした。
1㎡当たりの管理費は平均197円で前年度より2.9%上昇し、修繕積立金は181円、4.4%、合計値では3.6%上昇しています。
なお、本データは、分譲マンションの集計のため、投資用マンションとは異なる点に注意が必要です。
あくまでも、管理費の動向の目安として、データをみていきましょう。

管理費は、築2018年頃の物件以降で急上昇しています。物価上昇や電気料金の上昇が大きく響いてきており、大型のマンションの場合、共用部の照明や設備にも多くの電力が使われており、物価上昇の打撃を受けていると言えます。

一方で、築年数が浅い方が修繕積立金が少なっています。
これは、「段階増額積立方式」で積み立てている場合が多いと考えられ、この方式だと建築当初は積立金が低く設定され、経年で上昇していくので、築年数が浅いと修繕積立金も低く設定されているというわけです。

管理費・修繕積立金ともに規模のメリットが大きい

図表2:規模別 ㎡当たり管理費・修繕積立金(単位:円)

規模別に見ると、50戸未満のコンパクトマンションでは管理費が高くなっていますが、それ以上の戸数に関しては、規模のメリットが働くので管理費は下がっています。
しかし、200戸以上の大規模マンションとなると設備が充実している傾向があるため、その分管理費も高くなっているようです。

一方で、修繕積立金は、規模のメリットが働き、戸数が多くなればなるほど修繕積立金の負担が小さくなるという傾向があります。