不動産投資の物件と選び方

不動産投資の鉄則! 人が流れてきそうな場所を見極めよう! 

不動産投資の鉄則! 人が流れてきそうな場所を見極めよう! 

これまでの記事でも述べてきたように、不動産投資は「家賃収入」が一番の目的です。
そして、投資家にとって、借り手となる人がどういうところに住まいを望んでいるのかを把握しておくことが重要です。
今回は、不動産投資の基本に立ち返り、立地選びをするうえでの人の流れについて見ていきましょう。

不動産投資の資源は「借り手」

不動産投資をする理由は、年金や保険目的、相続などの対策、売却益狙いなど、それぞれ異なります。
しかしながら、全ての投資に共通するのは、家賃収入が安定している物件であるという前提があることです。
つまり、「借り手に困らない物件」に投資することが基本なのです。

しかし、これまでとは異なり人口減少が進むと考えられている日本では、どの場所の不動産に投資をするかが成功のカギを握っています。

今後、「どの地域で人が増え、どの地域で人が減るのか」というマクロな視点で情報を集めることも大切です。

東京23区への人口集積が加速している

東京は、そもそも日本全体の10人に1人が住んでいる場所です。
それに加え、近年では転入超過数(※1)が他の道府県と比べて圧倒的に多くなっています。
さらに都市別で見ても2016年の転入超過数1位は東京23区(区部)で5万8207人、2位は大阪市で9474人、3位は札幌市で9137人と東京23区が群を抜いています。

かつて東京では、隣接する三県(埼玉・千葉・神奈川)から通勤する人が増え、東京都の夜間人口は1965年(昭和40年)以降、減少傾向にありました。

しかし、2000年(平成12年)からは特に23区において夜間人口が増加しています。
これは東京から隣接する三県への転出者が減り、逆に若い世代など都内への転入者が増加していると考えられます。
なかでも23区のみが大幅に増加(※2)しているのが特徴的です。

※1.
転入超過数……転入人口が転出人口を上回った数のこと

※2.
「東京都の人口(推計)」の概要(平成28年1月1日現在)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2016/01/40q1s100.htm

東京23区の人の流れ

2000年(平成12年)の東京23区の人口は848万9653人でした。
それが2015年(平成27年)には927万2740人に増えています。
平均すれば毎年7万8000人ずつ増えている状況です。

2015年(平成27年)の国勢調査によると23区の中でも特に人口増加率(前回比)が高いのは千代田区でした。
次いで港区、中央区となっています。
数として人口が最も増加したのは港区です。
次いで江東区、世田谷区となっています。

2015年(平成27年)と2010年(平成22年)の国勢調査によるデータを基に比較すると次のようになります。

再開発がもたらす不動産投資への効果

丸の内や大手町、神田、お茶ノ水がある千代田区は、2010年(平成22年)の昼夜間人口比率ランキングで1位になっています。
夜間人口が約4万7000人と23区内で最も少なく、一方で昼間人口は約81万9000人と20倍近くに膨れあがります。

これは、千代田区にオフィスや大学が集中しているという理由が考えられます。
このように、昼夜間人口に大きな開きがあるエリアで、より多くの人口増加が見られるのは、住まい選びのポイントに「職住接近」が求められているからなのかもしれません。

増える外国人は、どこに住むのか?

増える外国人は、どこに住むのか?

近年では外国人の増加も傾向の一つです。
在留外国人の数は、2013年に増加に転じて以降、3年連続して増加しており、2015年の末には約223万人と過去最高になりました。
2015年(平成27年)の国勢調査によると、日本に住んでいる外国人は44万人で、そのうち約20%が東京で暮らしています。
外国人の5人に1人が東京在住ということになります。

外国人が日本に住む理由は、主に留学と就労です。東京では、外国人労働者数も全体(在留外国人)の29.1%を占めており、海外から留学を受け入れている大学も多いため、外国人在住者が多いと考えられます。

人が集まるところには、コミュニケ―ションやイノベーションが生まれ、ビジネスや文化が発展するといわれます。
日本全体を見て、今後を担う若い世代や、国を越えて活躍する外国人、新たなビジネスやアート、文化などが集まりそうな場所はどこになるのでしょうか。

ぜひ、そのような「人の流れ」を想像しながら、投資物件の立地選びをしてみてはいかがでしょうか。

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。