不動産投資のポイント

不動産投資はワンルームorファミリータイプ?需要・家賃・売却を比較

不動産投資を行う上で、部屋のタイプを選ぶことは重要なポイントです。
今回は「ワンルームタイプ」と「ファミリータイプ」の違いについて見ていきましょう。不動産投資を検討されている方は必見です。

マンションには2つのタイプがある

冒頭で述べた通り、マンションのタイプには大きく分けてワンルームタイプとファミリータイプがあります。

【ワンルーム(1R)タイプ】

ワンルームタイプとは、文字通りに居室が1部屋の間取りで、単身者をターゲットとしたものです。最近では「スタジオタイプ」という呼び方もされ、水回りと居室がドアによって仕切られる「1K」と呼ばれるものもあります。

【ファミリータイプ】

ファミリータイプは、明確な定義はありませんが、主に家族世帯が住むことを想定とした2部屋以上の居室からなる間取りがそう呼ばれています。

都内の賃貸マーケットについて

東京都は人口約1,350万人で、世帯数にすると640万世帯にのぼります。
そのうち単身世帯数が約290万世帯と全体の45.9%を占めています。これは都心部になるほどより顕著で、都区部(23区)においては約450万世帯のうち単身者世帯は220万世帯と、48.9%を占めます。
つまり、都心部では2世帯に1世帯が単身者世帯と言えるのです。安定した家賃収入を狙うマンション投資において、自宅の購入を考えている需要は入居者の対象にはなりません。
2013年に発表された年齢層別の持ち家世帯比率、20代では11.3%以下ですが、30代後半からは46.0%と約半数が持ち家世帯となります。40代、50代となると過半数を超えています。
つまり、マンションの不動産投資のターゲットとすべきなのは、20代~30代後半だと言えそうです。

都内においてはワンルームタイプが有利?

ファミリータイプは、時代の潮流によってニーズが異なります。
例えば、住宅ローン金利が低くなると、マイホーム志向の家族世帯は購入にシフトします。
対する単身者世帯は、そもそも住宅ローンが使えなかったり、まだ購入する必要がなかったりするため、常に一定の需要があります。また、家族が住まいを選ぶのと比べ、単身者の場合は、入居の意思決定を一人で決めることができるため、賃借人が決まるまでのスピードが早いのも特徴です。
さらに、ワンルームタイプはファミリータイプと比べ総じて賃料も低いため、上下変動が少ないこともリスクを軽減でき安心です。
基本的に、ワンルームタイプに住む入居者は、ほとんど家におらず、設備などの消耗を考慮しても、複数で住むファミリータイプと比べ経済的でコスト面でも有利と言えます。

売却する際の違い

ファミリータイプを売却する際、それを中古として購入する二次取得者は、「住まい」を目的とするものが多いです。
例えば、元々自分の住まいとして使っていた部屋を買い替えるなど、売却時に空室になるものであれば、すぐ住めるため良いですが、元々賃貸している部屋は入居者をそのままにオーナーチェンジとなるため、投資目的でしか売却ができません。
売却時に入居者に退去してもらうことができないからです。一方、ワンルームタイプは、元々投資目的の購入者が多いため、売却時にオーナーチェンジでも影響は少なく、むしろ入居者が既にいることが二次取得者にとってはメリットでもあります。

 

投資と住まいを混同しない

ワンルームタイプとファミリータイプ、それぞれにメリットやデメリットは存在します。
ただし、家賃収入や売却と言う不動産投資の視点からすると、指標は異なります。
「いずれ自分が使うかもしれない」などと購入者自身の安易な考えだけで投資物件を購入してしまうと、本末転倒になりかねません。
しっかりとした目的のもと、それに整合した手段、つまり物件や部屋のタイプ選びは、重要なポイントであることを忘れてはいけないのです。

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株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。