マンション購入を検討している方の中には、「ホームページやパンフレットにある物件概要を見ても、何が書いてあるのかよく分からない……」と頭を悩ませている方も多いでしょう。
特に初めてマンションを購入する方にとっては、見慣れない項目が多くあり、調べるのに手間を感じているかもしれません。また、いくつかの物件を比較検討している方の場合、比較に重要なポイントを見逃してしまっている可能性もあります。
今回の記事では、マンションにおける「物件概要」に記載された項目について、基礎から簡単に解説いたします。物件概要とこの記事を照らし合わせながら読むことで、これまで分からなかった情報も理解することができるでしょう。
以下の赤い線に囲まれている物件概要に記載された項目を参考に、リストを用いながら解説します。

物件概要の基礎知識①|物件の基本情報・地域情報
マンションの物件概要には物件全体の概要を把握してもらうために、物件の名称や所在地などの基本的なデータが記載されています。 まずは、基本情報と物件がある地域の情報を扱っている項目と、その内容について一緒に見ていきましょう。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 名称 | マンションの建物名称 | |
| 所在 | 登記簿上で表示される所在 | ・一般的に使われる住所ではない |
| 所在地 (住居表示) |
市区町村内で表示される住所 | ・郵便や宅配など、一般的に使用される住所 |
| 交通 | 利用できる駅までの距離を、 時間に換算して表示 |
・「80mまでを徒歩1分」で換算 ・信号待ちや坂道は考慮されず、 実際の所要時間とは異なる |
| 用途地域 | 物件のあるエリアに建てられる建物の種類 | ・物件周辺の環境がわかる |
| 地域/地区 その他 |
物件のあるエリアの利用用途や利用制限など | ・都市機能や景観、自然保護を目的とした 土地の利用制限などがわかる |
| 建蔽率※ (許容建蔽率) |
敷地の広さに対する建築面積の割合 (許容建蔽率はその土地の建蔽率の上限) |
・「建築面積/敷地面積×100」で 算出される |
| 容積率 (許容容積率) |
敷地面積に対する建築延床面積の割合 (許容容積率はその土地の容積率の上限) |
・「延床面積/敷地面積×100」で 算出される |
※建蔽率(けんぺいりつ)
「都市計画法」に基づき、用途地域は「住居系」「工業系」「商業系」からなる13種類、地域/地区は21種類の分類に区分されています。
物件の用途地域や地域/地区については、詳しく見ないことが多いかもしれません。しかし、自身が所有する物件の周辺がどのような環境か、将来どのような建物が建つのかなどは、居住と投資どちらの目的であっても気になるところです。購入を検討する際は、必ず確認しておくようにしましょう。
また、建蔽率と容積率は、建築基準法に基づいています。建蔽率は防災や風通しなどを目的に、容積率は良好な住環境の確保を目的に、それぞれ上限を定めています。これらが守られていない場合違法建築物となるため、こちらもチェックしておくことが大切です。
物件概要の基礎知識②|物件の建物に関する情報
続いて、物件の建物に関する情報が記載された項目について見ていきましょう。
マンションの建物の特徴や状態などが分かる情報であり、目的に沿った物件であるか確認するために必要な項目も多いです。
ここでは、内容とともに項目内で使用されている主な用語の意味についても簡単に解説します。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 敷地面積 | 建物を建てる土地を真上から見た面積 | ・敷地の高低差や斜面は考慮されない |
| 建築面積 | 建物を真上から見た時の建築対象面積 | ・最も面積が広い階の面積が採用される ・「建坪※1」とも表記 |
| 建築延床面積※2 | 建物全ての階の床面積を合計した面積 | ・階層が多いほど、床面積の合計も大きい |
| 容積対象床面積 | 容積率を算出する際に対象となる建築延床面積 | ・エレベーターやエントランスなどは対象から除外される |
| 構造 | マンションの構造 | ・建物に使用された材料や組み立て方法がわかる ・例:「RC造鉄筋コンクリート造」 「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)「壁式」 |
| 建築確認番号 (計画変更確認番号) |
工事着工前に建築確認が完了した建物に発行された番号 (計画変更確認番号は計画変更した際の番号) |
・違反建築物でないことを確認できる |
| 検査済証番号 | 工事完了後に発行された検査済証記載の番号 | ・違反建築物でないことを確認できる |
| 総戸数 | マンションの建物内にある住戸の総数 | ・管理室やラウンジなどの共用部分は含まれない ・販売戸数は、総戸数のなかで販売対象とされる住戸数 |
| 間取り | 住戸内の部屋配置を数字やアルファベットで表記 | ・部屋数や部屋の構成がわかる |
| 専有面積 (バルコニー面積) |
単独所有した住戸内の面積 | ・バルコニーは専有部分(面積)に含まれない |
※1建坪(たてつぼ) ※2建築延床面積(けんちくのべゆかめんせき)
「間取り」に使用されるアルファベットは、部屋の構造だけでなく設備を示していることもあります。以下は、代表的な例になります。
- LDK=リビング・ダイニング・キッチン
- WIC=ウォークインクローゼット
- SIC=シューズインクローゼット
- MB=メーターボックス
- PS=パイプスペース
- CH=天井高
アルファベットの表記が多いほど設備の数が多く、結果的に部屋の面積も広くなる傾向があります。しかし、間取りは部屋の面積を具体的に示すものではないため、「専有面積」の広さと併せて確認しましょう。
専有面積の広さを確認する際は、面積単位に注意が必要です。部屋やバルコニーなどで使用される面積単位は「㎡(平方メートル)」が一般的ですが、建坪(たてつぼ)の単位で表記されることもあります。建坪の表記には「1㎡=0.3025坪/1坪=約3.3㎡」で換算できます。
また専有面積は、物件概要と登記簿によって記載される数値が異なります。これは、物件概要の数値が真上から住戸を見て壁の中心線から内側を面積とする「壁芯(へきしん)計算」で算出されているのに対し、登記簿では壁の内側を面積とする「内法(うちのり)計算」で算出した数値が記載されているからです。
間取りや面積などは、居住性を把握する手掛かりになります。物件の特徴を具体的にイメージできるように、物件概要に使用される用語や略語の意味はしっかり理解しておきましょう。
物件概要の基礎知識③|物件の権利やその他の情報
最後に、物件の権利や取引形態、その他管理に関する情報について一緒に見ていきます。
権利関係は、内容によって物件の所有権の範囲・将来の売却のしやすさに影響し、取引形態によって発生する費用などが異なります。また、管理形態によっては、その物件の安全性や快適性に大きな差が出る場合があります。以下の表で、確認していきましょう。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 分譲後の権利形態 (敷地/建物) |
分譲後の土地と建物それぞれの権利形態 | ・土地の「所有権」を持てるか確認できる |
| 竣工時期 引渡(入居)時期 |
建物の完成時期と、実際の入居可能時期 | ・最短の引渡時期(いつから住めるか)を確認できる |
| 売主 (販売代理、仲介) |
建物の販売または分譲を行う会社 | ・物件の現所有者(会社)がわかる ・「仲介」は別途手数料が必要 |
| 設計監理./施工 | 建物の設計事務所と建設会社 | ・建物や設備は建設会社による保証(最大10年) |
| 管理会社 | 建物の共用部分を管理する管理委託会社 | |
| 管理方式 (管理形態) |
建物の共用部分の管理方法 | ・共用部分の維持管理方法がわかる |
| 管理員の 勤務形態 |
建物の管理員(管理人)の勤務形態 | ・建物の管理人の勤務時間や内容がわかる ・例:「通勤(日勤)管理」「巡回管理」 「常駐管理」「無人管理」 |
分譲後の代表的な権利形態は、以下の通りです。
所有権の共有:
マンションのように、敷地を各住戸の所有者で共同所有する形態
定期借地権の準共有:
「定期借地権」(一定期間のみ敷地利用できる借地権)を各住戸の所有者で共有している形態
区分所有:
マンションのように建物を住戸(専有部分)に区分し、各住戸を独立して所有する形態
土地の権利形態が「借地権」とある場合、マンションを購入しても土地の所有権は無いため注意が必要です。
また、マンションを購入する際、「売主 (販売代理、仲介)」に記載された業者の実績について気になる方は、同項目に併記されている「宅地建物取引業免許番号 (宅建業免許番号)」を確認しましょう。
宅建業免許番号は、2つ以上の都道府県を跨ぐ事業主には国土交通大臣、同都道府県内のみの場合は都道府が発行しています。(例:東京都知事/国土交通大臣(●)第●●●●●号)
免許は5年ごとに更新されており、宅建免許番号中にあるカッコ内の数字が更新回数を指します。数字が大きいほど業歴が長いことが分かります。しかし、数字が小さくても業歴が浅いとは限らないため、あくまで実績を知る一つの手がかりとして見るようにしましょう。
権利関係や取引形態は難しく感じるかもしれませんが、内容を理解しておくことで購入だけでなく、購入後の利用や処分に関わるトラブルを減らすことにもつながります。こうした項目にも必ず目を通し、物件を購入することで所有できる権利や、取引する相手が誰であるかも確認することが大切です。
まとめ
マンションによって、構造や管理、権利形態などは異なります。価格だけで比較や購入の判断をしてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうことも少なくありません。
マンションの知識が多少あるだけでも、より慎重に検討を重ねて購入を判断でき、失敗するリスクを減らすことができます。
マンションの購入を検討する際は、この記事のリストと照らし合わせて、物件情報を確認していきましょう。

