1坪1,000万円超の中古物件も!リセールバリューから見るマンション投資

東京23区の新築マンション平均価格が1億円の大台を突破し、不動産市場が非常に大きな注目を集めるなか、価格上昇の勢いはとどまることを知りません。
投資家や投資検討者の間では「今から買っても遅くないのか?」「高値掴みにならないか?」といった期待と懸念が入り混じっている状況です。

しかし、現在の市況を冷静に分析すると、単なる「価格高騰」ではなく、市場価値の構造的な変化が見えてきます。特に注目すべきは、新築マンションの供給減少が中古マンション市場や家賃相場を強力に押し上げている点です。

驚くべきことに、新築時から10年を経て、価格が3倍以上に跳ね上がっているケースも珍しくありません。本記事では、最新のデータと市場動向に基づき、マンション投資におけるリセールバリューの実態と、これからの投資戦略について解説します。

目次

10年前に買ったマンションの今の価格は?データから見る市場価値

不動産投資の成否を分ける大きな要因の一つが「リセールバリュー(再販価値)」です。

不動産専門の調査機関である東京カンテイが発表した「築10年中古マンションのリセールバリュー2024【改定版】※」では、都心部を中心に高い水準での資産性の維持・向上が明らかになりました。

※参考データ https://www.kantei.ne.jp/wp-content/uploads/124RV_shuto.pdf

東京カンテイ「築10年中古マンションのリセールバリュー2024【改定版】」の結果

この調査は、2014年に新築分譲されたマンションが、築10年を経た2024年時点でどのくらいの価格で取引されているかを算出したものです。
首都圏全体の平均リセールバリューは148.8%となり、10年前の購入時よりも約1.5倍の価格で流通していることが示されました。

特筆すべきは、都心エリアの圧倒的な強さです。東京23区、特に都心部においては、新築時を遥かに上回る価格で取引される物件が続出しています。

これは、不動産が単なる居住用資産ではなく、インフレに強く、着実に価値を伸ばせる有力な投資対象となる資産であることを裏付けています。

最寄り駅の上位4駅は驚異の3倍(300%)超え

ランキングの結果を見ると、リセールバリューの最高値は東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅で、336%を記録しました。

これは、10年前に購入した価格が3.3倍以上になっていることを意味します。平均坪単価で見ると、新築時の414.3万円から、10年後には1,392万円へと跳ね上がっています。 これに続く上位駅も大幅な値上がりとなっています。

  1. 新御茶ノ水(336.0%):坪単価1,392万円
  2. 六本木一丁目(332.0%):坪単価1,512.5万円
  3. 半蔵門(317.8%):坪単価1,537万円
  4. 赤羽橋(305.9%):坪単価1,192.9万円

これら上位4駅はすべて300%を超えており、築10年を経た今、新築時の3倍以上の価格で取引されています。

特に大規模タワーマンションや再開発が進んだエリアでは、10年という歳月が経過してもなお、価値が目減りするどころか加速度的に上昇しているのが現状です。

最寄り駅の上位30駅はすべてが2倍以上の市場価値を維持

ランキングに掲載された上位30駅は、すべてが200%以上のリセールバリューを記録しました。
エリアとしては、JR山手線の南側(港区、千代田区、渋谷区など)に集中しており、麻布、赤坂、青山、六本木といった都心一等地は、依然として不動の強さを誇っています。

また、東池袋(267%)や月島(240.7%)、豊洲(213.4%)といったエリアも上位に食い込んでいます。
これらのエリアは居住用としてだけでなく、投資用としても人気が高いことが価格に色濃く反映されています。

なぜリセールバリューが上がり続けているのか?都心マンションの資産性が高い理由

データが示す高いリセールバリューは、単なる偶然ではなく、明確な需給バランスの変化によってもたらされています。
なぜ、これほどまでに取引価格が上がり続けているのか、その背景を詳しく見ていきましょう。

国内外の富裕層・法人による都心一等地の争奪戦

現在、都心の高額マンション市場を動かしているのは、居住目的の個人だけではありません。国内外の富裕層や法人が、都心の一等地の物件を「安全で確実な資産」として確保しようと動いています。

世界的に物価が上がる局面において、現金の価値は相対的に目減りします。その対策として、希少性の高い東京の不動産は絶好の投資先となります。

特に東京は、海外の主要都市と比べてもインフラが整っており、管理状態も良いため、世界中の投資マネーから「資産を守るための場所」として選ばれているのです。

都心人気マンションの3〜5割は「外国人か法人」が所有

国土交通省が2025年11月に発表した「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」の結果によると、非居住者(国外に住所がある者)による新築マンション取得の割合は、東京23区で3.5%、都心6区でも7.5%程度にとどまっています。

しかし、この数字はあくまで「日本国外に住所を登録している個人」のみを抽出した限定的なものです。

実態はさらに大きな広がりを見せています。住宅新報の調査(不動産テック企業estie協力)によれば、都心の人気マンションの所有状況を詳細に分析した結果、外国籍の個人と法人の所有を合わせると、全体の3割から5割に達するという事実が浮かび上がりました。

日本国内に拠点を持つ外資系法人や、投資目的で設立された国内法人による購入が非常に多いため、実際の「投資・資産形成」を目的とした所有割合は極めて高いのです。

こうした購入者層は長期的な視点で物件を保有するため、優良物件は中古市場になかなか出回らず、それがさらなる供給不足を招いて価格を押し上げるというサイクルが生まれています。

新築供給が減り、希少価値が高まった中古市場

建築資材の高騰や人手不足、用地取得競争の激化により、都心部での新築マンション供給戸数は減少傾向にあります。

不動産経済研究所が公開している「首都圏 新築分譲マンション市場動向」供給戸数の推移(1973年〜2024年)によると、首都圏の供給戸数は2000年のピーク時には年間9万5,000戸を超えていましたが、2024年には2万3,000戸程度にまで落ち込んでいます。

かつてのような大量供給が難しい中で、「新築が欲しいが、希望エリアに物件が出ない」という状況が生まれています。その結果、需要が中古マンションに集中し、中古物件の価格がさらに高まっています。

特に投資用物件として人気の高いワンルームマンションにおいても、中古市場での取引価格が新築時の分譲価格を上回る「価格の逆転現象」がしばしば見られます。

新築供給が限られているからこそ、既存の優良物件の価値が相対的に高まり続ける構造になっているのです。

今後の市場予測や不動産投資の最新戦略については、以下の記事をあわせて参考にしてください。

今後もマンションのリセールバリューは上がり続けるのか?

多くの投資家が気になるのは「この上昇トレンドは続くのか」という点です。市場の背景を掘り下げると、現在の価格形成にはしっかりとした裏付けがあることが分かります。

世界中の投資家や法人が注目する東京マーケット

結論から言えば、国内外の法人や富裕層による需要が堅調である限り、都心部のマンション価格は非常に底堅く推移する可能性が高いと考えられます。

都心の物件は、いまや世界的な「アセットクラス」として位置づけられています。ニューヨーク、ロンドン、香港といった世界の主要都市の不動産価格と比較しても、東京の利便性と資産性は高く評価されており、グローバルな投資マネーが流入し続ける構造は当面揺らぐことはないでしょう。

こうした国際的なマーケットは高い成長性が魅力ですが、原則として価格の変動幅(ボラティリティ)は大きくなる傾向があります。リーマンショックなど過去の世界的な不況の際には、急な投資マネーや高額賃借物件の入居者の引き上げがあったという事例も頭に入れておく必要があります。

ローン審査に左右されない購入層が価格を押し上げている

一般的な実需向け住宅であれば、ローンを利用して購入するケースがほとんどです。しかし、現在の都心マンション市場、特に投資用や高額物件の市場は異なります。

前述の通り、購入者の多くはキャッシュ(現金)で購入する法人や海外投資家、あるいは富裕層です。彼らは銀行のローン評価基準に縛られることなく、独自の投資判断や資産防衛の観点から予算を決め、購入を決定します。

この「銀行の評価基準に縛られない投資判断」による取引が、価格の抑制を効きにくくさせ、希少な物件の価格をさらに押し上げる要因となっています。

銀行の評価額をベースとした「安定的な取引」が行われる一方で、富裕層マネーによるニーズが上値を押し上げている現状は、都心マンションの価格が実態以上の水準になってしまっている懸念もあります。

まとめ

本記事の通り、購入した物件が大幅に高く売れ、キャピタルゲインが得られる可能性を見いだせる反面、実は実態以上の価格になっており、どこかで下がるリスクも無いわけではありません。

一方、1Rなどの投資マンションは、一般的にローン購入者が多く、そのローン評価(銀行による担保評価)を基に価格が設定される傾向にあります。またローン評価には価格と家賃収入のバランス(利回り)も含まれるため、価格だけが上がることはありません。

キャピタルゲインが得られることは望ましいですが、そのチャンスをつかむためにも、まずはしっかりとしたインカムゲインで無理なく保有しましょう。チャンスがあれば売却してキャピタルゲインを得る一方で、もしその機会が無くともインカムゲインでしっかり収益を得るというスタンスを推奨します。

将来のリセールバリューを見据えつつ、足元の収益を固める堅実な投資の一歩が、確かな未来を築くことにつながります。

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この記事の著者

時代に合った不動産投資を、具体的な事例やノウハウを元にリアルに情報発信している「スクエア編集部」。 40年以上、物件開発から賃貸・建物管理、仲介を行ってきた老舗グループ企業による運営の下、読者に確かな不動産投資を推奨すべく活動しています。

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