不動産投資の物件と選び方

築年数がかなり経った賃貸住宅はリフォームした方がいいのか?

ワンルームマンションのリフォームについて考えてみたいと思います。
賃貸アパートなどでは、経年劣化に伴い、大きなリフォームを行うことも多いですが、ワンルームマンションではあまり行われていないようです。
ワンルームマンションはRC構造の区分所有物件で、専有面積も小さいので、大きなリフォームをすることはあまりありません。
一方、入退去に伴う、リペア(修繕)や室内クリーニングは、都度毎回発生します。
ワンルームマンションを購入し長期(例えば30年以上)所有していたとするならば、もう少しお金のかかる住宅設備品の入れ替え、内装全面改修等、やや大掛かりなリフォームをする可能性が出てきます。
投資用ワンルームマンションを購入して(つまりマンション経営が始まって)20年くらいすると、必ず悩むこのテーマを考えてみましょう。

目次

なぜリフォームが必要なのか
築20年の悩み
ワンルームマンションのリフォームはいくらくらいかかるのか?
新築ワンルームマンションは、しばらくの間リフォームとは無縁

なぜリフォームが必要なのか

ワンルームマンション投資において、入居者入替時にリフォームは当然必要です。しかしなぜ必要なのでしょうか?
日本において、売買や賃貸で提供されている住宅は、すぐ使える状態が好まれます。海外ドラマなどで壁のペンキを塗ったりする様子を見ますが、日本ではあまり見られません。
そのため、現在の入居者が退去したのち、次の入居者を探している間に、お部屋の掃除が必要になります。
さらに、エアコンや給湯器などの設備も家賃に含まれることになりますから、入居中に壊れて入居者に不便を強いると退去につながってしまうため、設置後10年以上で予防的に取り換えることも必要になります。

築20年の悩み?

日本においては、賃貸住宅の入居者は新築物件などの築浅物件を好む傾向にあります。
アメリカなど欧米諸国では、「あまりこだわらない」傾向のようですが、事実として日本では新築物件は人気があります。
こうした傾向から、築年数を経た物件(とくに20年を超える物件)は、築浅物件に比べてどうしても空室が出やすくなります。
20年を超えた時、「ある程度の出費を覚悟してでも、リフォームする方がいいのか?空室が減るかもしれない?」と、悩むオーナーの方が多いと思います。

収支の状況によっても異なりますが、たいていの場合、かなり築年数が経ってくると、リフォームの事は検討した方がよいと思います。
特に、水回り設備をはじめ室内建具など、古くなるとどうしても傷みが激しくなったり、デザインが古くなったりしてしまうものに関しては、「リフォームする」というより、「取り替える」ことは最低限必要だと思います。

ワンルームマンションのリフォームはいくらくらいかかる?

では、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?工事費用は地域や時期により異なります。
また、設備や材料品はグレードにより、単価が大きく異なりますが、自分で住む訳ではないのでファミリーマンションほどグレードが高くなく、それでいてある程度高級なワンルームマンションの中では高めのグレードで金額を見ておきます。
ワンルームマンションにおける、入退去時などに行う原状回復工事では、クロスの張替えやちょっとしたメンテナンスなら5~10万程度で済みます。
もちろん、クロスのレベル、メンテナンスのレベルによりこれよりも高くなる可能性もありますが、家賃1か月+α、程度というのが相場です。
それに、加えてアクセントの入ったクロスにしたり、床を張り替えたりすると、プラス10~30万程度かかります。
一方、先に述べたような、水廻り設備の取り換えや建具の取り換えになると、ぐっと金額が張ります。
設備のグレードより価格は異なりますが、一度に全て行うと100万円を超えてくる金額となります。

原状回復程度のリフォームで済ませるか、大掛かりな取り換えリフォームを行うかは、客付き状況、つまり空室が長く続くかどうかで判断すればいいでしょう。
空室が半年続くと、例えば家賃10万円の部屋だと、60万円の損失となります。こうした場合、ある程度お金をかけてもリフォームをした方がいいと判断できます。
また、リフォームにかかった費用は経費算入できますので、節税にもなります。

新築ワンルームマンションしばらくの間リフォーム工事とは無縁

最近は中古ワンルームマンションを購入する方も増えてきました。
しかし、これまで述べたように、クロス等は確実に劣化しますし、水廻り設備にも耐久年数があります。
築20年を超える物件を購入すると新築ワンルームに比べて安く、利回りがいいように見えるかもしれません。
しかし、新築に比べて空室確率が上がり、それは賃料収入減につながります。
また、購入してしばらくするとリフォーム費用がかかると、安く買っても結果的に新築と大差がない、という状況になるかもしれません。

このような点は、新築ワンルームマンションを購入するメリットと言えるでしょう。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。