不動産投資の王道と言えば「マンション投資」ですが、最近は「不動産クラウドファンディング」という言葉も耳にするようになりました。しかし、どちらも不動産投資の方法ですが、仕組みやリスクの取り方は両者で大きく異なります。
そこで、本記事では、不動産クラウドファンディングとマンション投資の違いを初心者向けにわかりやすく解説します。
不動産クラウドファンディングとマンション投資の仕組み
まずは、不動産クラウドファンディングとマンション投資の仕組みや特徴をシンプルに解説します。
不動産クラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングとは、事業者がインターネット上で複数の投資家から資金を集め、その資金で不動産を購入・運用して、得られた利益が投資家へ分配される不動産投資です。
「不動産を複数の投資家で持つ」というイメージに近いため、少額からでも不動産投資に参加できるほか、不動産の購入・運用を事業者に一任できる特徴があります。
マンション投資とは?
マンション投資とは、自分名義で区分マンションなどを購入して、入居者へ貸し出すことで家賃収入を得る不動産投資です。また、「十分な家賃収入を得た」「インフレにより不動産価格が上昇した」などの場合は、売りに出すことで売却益を狙うこともできます。
「不動産を自分で所有する」という形態になるため、投資家自身の判断で不動産運営ができるほか、ローンを活用することでレバレッジを利かせた不動産投資が可能です。
不動産クラウドファンディングとマンション投資の比較表
不動産クラウドファンディングとマンション投資の違いをまとめると、以下の表のようになります。
| 比較項目 | 不動産クラウドファンディング | マンション投資 |
|---|---|---|
| 投資金額 | 数万円~ | 数千万円~ (ローン利用なら数十万円~) |
| 所有形態 | 共同出資 (匿名組合等) | 直接保有 |
| 運用 | 事業者任せ | 管理会社に委託可能 |
| 収益源 | 分配金 | 家賃収入 + 売却益 |
| 途中解約 | 原則不可 (期間固定) | 売却可能 |
| レバレッジ | ローンは使えない | ローンの活用可能 |
| インフレ対応 | 事業内容次第 | 家賃や価格上昇の可能性 |
| 資産性 | 原則として不動産は残らない | 不動産自体が資産として残る |
| 所得分類 (税金計算) |
雑所得 (所得に対して20.42%の税率) |
不動産所得 (経費計上可・給与所得と損益通算可) |
2つの不動産投資のメリット・デメリットを解説
以下では、不動産クラウドファンディングとマンション投資のメリット・デメリットについて解説します。
不動産クラウドファンディングのメリット
不動産クラウドファンディングの最大のメリットは、数万円程度の少額からでも不動産投資に参加できることにあります。マンション投資とは異なり、まとまった頭金や継続的なローン返済が不要なため、初心者でも始めやすい不動産投資です。
また、不動産の購入・入居者対応・修繕管理などはすべて事業者が行うため、投資家に手間がかからない特徴があります。
さらに、投資案件は運用期間が6か月~2年程度に設定されていることが多く、事前に想定利回りなどの情報も公開されているため、投資のゴールが見えやすい点も安心材料となっています。
不動産クラウドファンディングのデメリット
不動産クラウドファンディングは元本保証ではないため、不動産価格の下落や空室の発生などにより、分配金が減少したり元本割れが起きたりするリスクがあります。
また、運用期間中は原則として途中解約ができないため、満期までは出資金が拘束されるデメリットがあります。不動産クラウドファンディングは原則としてローンを組めないため、十分な余剰資金を確保した上で自己資金から出資を行うことが大切です。
さらに、不動産クラウドファンディングは「事業への出資」であるため、運用終了後も不動産は投資家の資産になりません。あくまでも分配金による利益を目的とした投資である点に注意が必要です。
マンション投資のメリット
マンション投資ではローンを組んで不動産を購入することができ、レバレッジを利かせた不動産投資が可能です。これにより投資規模を拡大できるため、自己資金に対して大きな収入や資産形成を狙うことができるようになります。
また、不動産クラウドファンディングとは異なり運用期間に制限がないため、入居者がいる限りは継続して家賃収入を得られることも大きなメリットです。
さらに、実物資産である不動産を保有する点から、インフレ局面では市場価格や家賃が上昇する傾向にあるため、インフレ対策として有効です。加えて、マンション投資では減価償却などの経費計上にともなう損益通算ができ、不動産の相続税評価額の圧縮による相続税対策などのメリットもあります。
マンション投資のデメリット
マンション投資の最大のデメリットは空室リスクです。入居者が決まらず空室が続けば家賃収入が発生しないことに加え、ローン返済や不動産の管理費・維持費などの支出がかさむ原因になります。
また、購入するマンションの選定や頭金の用意、購入後の登記手続きなどが必要になるため、不動産クラウドファンディングよりも初期ハードルが高くなりがちです。
さらに、投資用マンションは金融商品と比べて売却までに多少時間がかかることが一般的です。実際に売買契約から物件の引き渡しまでの手続きにも時間を要します。
あなたにはどちらの不動産投資が向いている?
以下では、不動産クラウドファンディングとマンション投資がどのような人に向いているかについて解説します。
不動産クラウドファンディングが向いている人
不動産クラウドファンディングは、以下のような人に向いています。
- 少額で不動産投資に参加してみたい人
- 不動産の運用や管理に手間をかけたくない人
- 短期~中期で資産運用をしたい人
先述の通り、不動産クラウドファンディングは数万円程度の少額から始められることに加え、不動産の購入・運用・管理は事業者に一任できます。そのため、不動産投資に興味がある初心者におすすめの投資方法となっています。
マンション投資が向いている人
マンション投資は、以下のような人に向いています。
- 「老後の年金代わり」のように長期の安定収入を確保したい人
- ローンを活用して大規模な不動産投資を行いたい人
- インフレ対策を行いたい人
- 将来、配偶者や子に資産を残したい人
先述の通り、マンション投資は物件の選定・管理・運用などに専門知識や手間がかかることに加え、空室リスクなども投資家個人が引き受ける必要があります。しかし、信頼できる不動産会社とのパートナーシップや管理会社への委託によってそれらに対処することも可能です。
むしろ、不動産投資に積極的に関与しながら資産形成・インフレ対策・税金対策などを行いたい人にはおすすめの投資方法です。
不動産クラウドファンディングとマンション投資の本質的な違い
不動産クラウドファンディングが手軽に運用益を得るための投資であるのに対し、マンション投資は家賃収入を得ながら資産形成をするという点で、両者には本質的な違いがあります。
そのため、短期間の運用であれば不動産クラウドファンディングの方が収益の見通しが立てやすい傾向があります。しかし、運用期間が限られていることに加え不動産を所有しないことから、長期的な資産形成ができない特徴があります。
一方、マンション投資ではローン完済後に不動産が純資産化することに加え家賃収入も継続することから、長期的な資産形成に適しています。
まとめ
不動産クラウドファンディングは不動産事業に少額から出資して分配金を受け取る投資であるのに対し、マンション投資は自分で購入したマンションを運用することで家賃収入や売却益を得る投資です。
両者は同じ不動産投資ですが、全く異なる特徴があるため、「どちらが優れた投資方法か?」という比較は向きません。
そのため、「運用益を得たいのか?」「資産を作りたいのか?」という目的を明確にしたうえで、あなたに適した投資方法を選択することが大切です。

