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【2022年9月】基準地価で見る住宅地と商業地の動きの違い

コロナ禍から回復!2022年基準地価

図表1:基準地価の推移(東京23区)


(国土交通省「都道府県地価調査」より作成。以下同様。)

9月20日、国土交通省がまとめた2022年の地価調査(基準地価)が発表されました。
全国の全用途平均は3年振りの上昇、住宅地が31年振りの上昇となったほか、商業地は全国の調査地点のうち41%が上昇しました。
東京23区では、住宅地、商業地ともに2.2%の上昇となりました。

図表2:区別 基準地価 変動率(単位:%)

住宅地は23区全てで上昇。最高は中央区+4.0%で、次いで新宿区+3.7%、中野、豊島(+3.3%)でした。
富裕層の需要が堅調な都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均は+3.1%で、その他の区の+2.1%より高い結果となりました。

商業地も23区平均で2.2%上昇しましたが、特に住宅地のイメージが強い杉並区(+3.8%)、北区(+3.7%)、中野区(+3.5%)、荒川区(+3.5)などで、商業地の変動率が高くなりました。

バラツキが多い商業地

標準偏差とは、データの特徴を要約する基本統計量の一つで、「データが平均値をベースにどれくらいばらついているか」を表します。
2000年からの変動率の標準偏差をとると住宅地は4.3、商業地は6.5と図表1のグラフで示す通り商業地の方がバラツキが多いのが分かります。

図表3は、区別の基準地価変動率の標準偏差と基準価格を散布図にとった結果です。

図表3:区別 基準地価変動率の標準偏差と基準価格の散布図

商業地においては、基準地価の価格が高いエリアほど、変動率の上昇や下落の幅が大きいということが分かります。

経済や社会情勢、不動産市場に影響を受けて基準地価が変動する中で、地価が高い商業地の方がそこから受ける影響の度合いが大きいということがデータからわかります。