ニュース

【2022年7月】昼夜間人口比率からみる東京一極集中

二極化が進む東京23区の昼夜間人口比率

7月22日に総務省より、令和2年国勢調査の詳細項目として「従業地・通学地による人口・就業状態等集計」が公表されました。

本調査によると、2020年の東京23区における昼夜間人口比率は126.8でした。
昼夜間人口比率とは、常住人口(夜間人口)100 人当たりの昼間人口の割合をいいます。
昼間人口とは、就業者または通学者が従業・通学している従業地・通学地による人口であり、夜間勤務の者、夜間の学校に通っている者も便宜上昼間就業者・昼間通学者とみなして昼間人口に含めており、昼間人口には買物客などの非定常的な移動については考慮されていません。
昼夜間人口比率が、100 を 超えているときは人口の流入超過、100 を下回っているときは流出超過を示しています。

図表1:昼夜間人口比率(2020年)

(総務省統計局「令和2年国勢調査」より作成。)

まず前提として、「令和2年国勢調査は、令和2年10月1日午前零時現在」となるので、新型コロナウィルスが感染拡大をしている中での調査です。
また、テレワークの扱いですが、国勢調査の「よくある質問」では、「Q,テレワークをしている場合、どこを従業地とするのですか。」に対して、「A,勤め先の所在地を従業地とします。ただし、ふだんからテレワーク勤務が半分以上の場合は、自宅を従業地とします。」とあります。

では、早速データを見てみましょう。千代田区は圧倒的に数値が高く昼間の人の集まりが多いのが分かります。
しかし、30年前の調査では2637.3と約2倍ありました。これは、千代田区に居住する人の数もここ30年で大きく増えたからです。
また図表のように、2020年10月昼夜間人口比率が100以上を赤色、100未満を青色で示しましたが、東京23区では「住む人が多いエリア」「昼間人が集まるエリア」と二極化がはっきりしている状況です。

変わりゆく東京23区の昼夜間人口比率

図表2:昼夜間人口比率と昼夜人口

オレンジ色の棒グラフで表した東京23区の昼夜間人口比率は、年々減少傾向にあります。
これは、東京23区に入ってくる数が減ったということ指すのではなく、先ほどの千代田区の例のように、東京23区に住む人が増えた(青色:夜間人口)からです。
また、昼夜人口も増えていることから、東京の一極集中が色濃く出たデータと言えます。

しかし、コロナ禍でテレワークが浸透したころから、昼夜間人口比率も今後変化を見せると考えられます。