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【2022年1月】首都圏中古マンションの需給関係を考察

コロナ禍でも需要旺盛な首都圏中古マンション

図表1:首都圏中古マンション成約状況

■成約件数

■成約㎡単価


(公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」より作成。以下同様)

2021年12月の首都圏中古マンション成約件数は2,881件で、前年同月比プラス13.7%と大幅に増加し、6ヵ月ぶりに前年同月を上回りました。
都県別では、東京都1,521件(前年同月比プラス18.8%)、埼玉県333件(プラス4.7%)、千葉県348件(プラス19.6%)、神奈川県679件(プラス5.4%)と、全都県で増加したことに加え、数の多い東京都が大幅に増加したことで、全体の増加につながりました。

㎡当たりの成約単価は64万1,700円、20ヵ月連続の上昇で、前年同月比プラス11.6%。

新型コロナウィルスがの感染拡大が始まった頃は、成約件数や成約価格にも大きく影響を与えていましたが、その間でも中古マンションへの需要は収まっておらず、むしろ、この頃に成約に至らなかった需要が、行動制限が緩和されるにつれて一気に成約に結び付く形で、成約件数や成約価格にも表れたようです。

図表2:首都圏中古マンション在庫件数・新規登録件数の推移(12カ月移動平均)

次に、在庫件数と新規登録件数の推移を見てみましょう。なお、在庫件数・新規登録件数ともに、季節的な要因によって大きく変動するため、季節調整を行って表記しています。
2つの推移とも波があります。在庫件数、新規登録件数ともに中古マンションの「供給」と見立てるとすると、供給量にも波があると考えられます。
更に、新規登録件数の方が在庫件数よりも先に変化が出ているようです。

実際に、在庫件数と新規登録件数の2つの変数で相関係数を算出すると、0.9と非常に強い相関関係になりますが、新規登録件数を3か月先行して相関係数をとると0.92と若干数値が高まっています。

首都圏中古マンションの需給関係は現在逼迫傾向

図表3:成約倍率と価格乖離率

ここで、新規登録状況を「供給」、成約状況を「需要」であると想定し、需給関係の変化を見ていきましょう。
成約に対する新規登録の件数倍率(新規登録件数÷成約件数)、さらに、成約価格と新規登録価格の価格乖離率(成約㎡単価÷新規登録㎡単価ー1)を表したのが左のグラフです。
数値が上に行く程、需給関係が逼迫しており、つまり、需給曲線に基づくと、価格が上昇傾向になるといえます。逆に下に行くと需給バランスが崩れ価格が下落傾向になります。

新型コロナウィルスの影響で、先行きが見えない状況の中、マンションを売り渋りる所有者が増え、新規登録件数が減少したため、需給がタイトとなりました。
ただ、2021年後半から若干新規登録件数も増えてきており、需給緩和方向の予兆がみえはじめています。

一方、新規登録価格と成約価格の差を示す価格乖離率は、中古マンションで成約価格の上昇が続いているため、需給はタイト方向で推移しています。