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【2020年11月】東京オフィス空室率上昇!オフィスビルへの投資マネーはレジデンスに向かう可能性

止まらぬ東京オフィスエリア空室率の上昇

東京オフィスエリアの空室率上昇が止まりません。図表1は、2020年1月以降の各エリアにおける前年との空室率の差ですが、7月以降全エリアでマイナスとなっています。
大きなお金がオフィスビル投資に向かっていますが、この先の不透明感から、そのお金は安定感の高いワンルームマンションなどレジデンス投資に向かう可能性が大きくなっています。
そうすると、ワンルームマンション価格上昇可能性が高くなりそうです。

図表1:東京オフィスエリア別 空室率前年比の推移

(三鬼商事)

渋谷区は2020年10月の空室率が5.14%と2014年2月以来、6年9カ月ぶりに空室率が5%を超えました。
東京オフィス5区の平均空室率と東証株価指数(TOPIX)の相関係数をTOPIXを先行指標として時差相関をとると、株価の値動きの8か月後に最も相関が強くなる傾向があります。
3月に株価が大きく値を下げましたが、その8か月後、つまり、11月には更に大きな下落が生じている可能性があります。

エリアごとに多少異なる コロナの影響

図表2:東京オフィスエリア別 空室率とTOPIXの推移(12カ月移動平均)

(三鬼商事、東証HP)

図表3:東京オフィスエリア別 空室率とTOPIXの相関係数

オフィスエリア別にTOPIXとの相関係数をとると、渋谷区が最も相関が高いのが分かります。渋谷というと、新しいビルが多くまた、IT(情報技術)企業が多いイメージですが、これらの企業を中心に経費削減や在宅勤務の浸透でオフィスを縮小する動きが加速しているようです。
また、比較的新興企業が多いのも特徴で、リモートワークなど新しい働き方に対応しやすい雰囲気も影響しているのかもしれません。
千代田区、中央区、港区の3区は、東京23区の中で最も東証一部上場企業が多いエリアです。同じく株価変動の影響を受けるものの、数値としては渋谷区よりも低いのが分かります。

また、大企業の中には、コロナ収束後、在宅勤務からこれまで通り出社勤務になった際に、一定のソーシャルディスタンスを設けるために増床する可能性もあるという見解もあり今後は、エリアによってオフィス空室率の変化が異なった動きを見せていくことも考えられそうです。