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【2020年2月】首都圏中古マンション成約日数の変化から見えてきた「買手優勢の構図」

2019年成約件数は過去最高!成約㎡単価は7年連続で上昇し、7年で1.4倍に

図表1:首都圏中古マンション成約件数

図表2:首都圏中古マンション成約㎡単価

(公益財団法人東日本不動産流通機構資料より作成)

2019年における首都圏中古マンションの成約件数は前年比2.4%増の38,109件で、2年ぶりに前年を上回りました。
この数は、2017年(37,329件)を超える過去最高。また、成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で前年比3.6%増の53.45万円で、7年連続の上昇。この7年間でなんと40.0%も価格水準が上昇しています。
都県・地域別に見ても、すべての都県・地域で上昇しています。

成約までの日数と各指標との関係性

図表3:成約までの日数と新規登録件数

図表4:成約までの日数と価格乖離率

次にレインズに登録してから成約に至るまでの日数をみていきましょう。
2019年は81.7日と、ここ11年では最長の期間となっています。成約件数や成約㎡単価だけ見ると好調のように見えますが、実は、なかなか成約しない物件も多くあるのです。
図表3ではレインズに新たに登録された物件数と比較していますが、新規登録件数が多くなればなるほど、成約までの日数が長くかかってしまうのが分かります。
実際に、新規登録件数の推移から日数の推移を1年遅らせて相関係数をとると、0.85と強い相関関係が見えて来ました。

次に、新規登録物件と成約物件でどれくらい価格が乖離しているかをみた「乖離率」と成約までの日数を比較してみましょう(図表4)。
黄色の成約までの日数が先行しているように見えます。1年先行で相関係数を算出すると、0.91とかなり高い相関関係が見られました。
成約までの日数が延びてくると、価格を買い手側に寄せていくという、買い手が主導権を握っている構図を表しているデータと言えそうです。