ニュース

【2019年11月】住宅・土地統計調査から見る賃貸住宅の間取りトレンドの変遷

全国の民営賃貸住宅のうち半数が単身世帯用

図表1:タイプ別 民営賃貸住宅の割合

※住宅・土地統計調査では、「台所の型」という分類があり、以下のように分かれています。
(1) 独立の台所(K)
(2) 食事室兼用(DK)
(3) 食事室・居間兼用(LDK・LK)
(4) その他と兼用※→ 今回はこちらを含めないで集計


この定義と居室の数を合わせてデータを集計すると、図表1のような割合でタイプ別に分かれました。
全国的には、やはりワンルームが最も多く、4室に1室という割合です。
また、単身世帯用として「1LDK」まで含めると53%となり、半数を占めていることが分かります。
これが東京23区になるとより高い数字が出ています。
ワンルームが4割、「1LDK」まで含めた場合は約7割という結果です。東京23区はやはり単身世帯用の賃貸住宅が圧倒的に多いようです。

図表2:民営借家に住む世帯の種類(全国)

このように単身世帯用の賃貸住宅が多いのは、言うまでもなく、賃貸住宅に住む人が単身者であるケースが多いからです。
図表2を見ると民営の賃貸住宅に住む世帯の約6割が単身者であることが分かります。

賃貸住宅における間取りトレンドの変化

図表3:建築の時期別 間取りタイプの変遷

図表3は建築の時期別で民営賃貸住宅における間取りタイプの割合を見たグラフです。
もちろんリフォームなどで建築当時と間取りが変わっている場合もありますが、本調査ではそこをカバー出来ていないので、考慮せず集計しています。
1990年代からワンルームの数が増えているのが一目瞭然です。核家族化や晩婚化が進むにつれて、単身者向けの住まいが増加していったのです。
また、日本全体の所得水準も高くなるにつれて、より豊かでゆとりのある住環境が提供されるようにもなりました。
特に間取りの面では、従来のダイニングキッチンにリビングも備えた「LDK」が登場し、普及し始めます。
時代とともに、間取りのトレンドが変化していく様子がうかがえました。