不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

東京のマンションは世界の大都市の中でも成長過程にある?

価格上昇が続く東京のマンションですが、その価格は世界的に見てどんな水準なのでしょうか?
東京のマンション価格は、2012年秋ごろから上昇気配を見せ始め、2013年年初くらいから、目に見えて価格上昇基調にあります。

図1は、首都圏の中古マンション成約価格の推移を示したものです(公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」のデータより作成)。
日本のマンション市況においては、流通量の多い中古マンション市況を見るのが一般的です。右図を見ると、2013年に入ってから価格上昇が顕著になっています。
図1を見ると、ずいぶんと価格上昇しているようですが、世界の他の大都市と比べてどうなのでしょう。

ニューヨーク、ロンドンと東京マンション市況の比較

世界の都市ランキングで常に上位に来るのは、ロンドン、ニューヨーク、パリ、そして東京です。
いろんなシンクタンクが都市ランキングを発表していますが、概ね、今述べた順位となっています。
東京は、東京・横浜を合わせて世界最大の人口を誇る都市年ですが、ランキングは4位となっています。
このうち、ロンドン、ニューヨークと東京のマンション市況を比較してみましょう。

図2は、一般財団法人 日本不動産研究所が発表している「国際不動産価格賃料指数」(これまで10回分公表)の複数回分をまとめて、そのうちマンション価格部分を抜き取って図表化したものです。2010年を100として計算。
これを見ると、東京は2014年以降、じわじわと少しずつですが、ずっと右肩上がりの状況です。
一方、ロンドンは、2016年4月をピークに現在は値下がり基調にあります。また、ニューヨークは2016年10月をピークに値下がり基調にあります。
ロンドン、ニューヨークはリーマンショック以降大きく値下がりしましたが、その後すぐに持ち直し、2012、13、14年 あたりに大幅に価格上昇しましたます。
一方、東京は冒頭に述べたように、価格上昇は2013年頃からで、さらに上昇幅はロンドン、ニューヨークに比べて小幅なものとなっています。

東京の価格上昇はいつまでつづくのかは分かりませんが、ロンドン、ニューヨークの上昇カーブを見ていると、もう少し上がる可能性があると思います。

ニューヨーク、ロンドンと東京マンション賃料比較

では、マンション賃料はどうでしょう?
マンション価格の上昇と似たような線を描きそうですが、賃料とマンション価格の間には、やや時差があるので、その辺りも意識して見ていきましょう。

図3は、一般財団法人 日本不動産研究所が発表している「国際不動産価格賃料指数」(これまで10回分公表)の複数回分をまとめて、そのうち賃料部分を抜き取って、図表化したものです。2010年を100として計算。
これを見ると、まずマンション価格のグラフと大きく異なるのは、2010年からの比較でロンドンよりもニューヨークの方が、賃料上昇が大きいということです。
図2では緑線が上にありましたが、図3では黄色線が上にあります。
ニューヨークの賃料指数はマンション価格指数に比べて、下がり角度がやや右(時間的に先)にあることがわかります。

東京マンションの賃料は確実に上昇する

東京のマンション価格は2010年10月を100とすると、2018年4月は114.3ポイントでプラス14.3ポイントですが、賃料指数は105.2ポイントでプラスは5.2ポイントとだいぶん小幅になっています。
賃料上昇は遅効性があると言われています。価格上昇に比べて、その反応が遅いという特性です。
こうして考えると、東京のマンション賃料は、上昇トレンドに向かうと予測できます。かなりの高確率 でこの先しばらく上昇するでしょう。

このように国際的な大都市間で比較すると、この先の予測として以下のことが見えてきます。

・東京マンション価格は、もうしばらくは上昇可能性がある。
・東京マンション賃料は、かなりの確率で上昇する上昇傾向が強い。

マンションは今が買い時、はもうしばらく続きそうです。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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