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不動産エコノミストがおすすめする、不動産投資の勉強法と個別相談の活用法

不動産投資をする方は勉強家が多い?

初めて不動産投資を行う前に、たいていの方は、本を読む・セミナーに行くなどして、不動産投資に関する知識を習得しているようです。この「不動産投資スクエア」サイトの新着記事を欠かさず読む、という勉強法もあります。
ある不動産投資家へ行ったアンケートでは、約6割の人が不動産投資の勉強を開始してから1年以内に物件購入したという結果があります。「不動産投資に興味を持つ」から一足飛びに購入するということではなく、その間に「不動産投資の知識を多少なりとも身に着ける」が入ります。皆さんある程度準備期間を設けてから物件購入という流れになっているようですね。

様々なジャンルの書籍を読んでみる

「不動産投資に関する知識の習得」の方法として、一番手っ取り早いのが書籍を読むことだと思います。実際に、先ほどと同じアンケートでも、これまでに10冊以上不動産投資関連の書籍を読んだ人が4割もいるようです。

確かに、書店に行くと多くの不動産投資関連書籍が並んでいます。
不動産投資のアドバイスを行う専門家が書いた書籍、投資物件を所有するオーナーが自身の体験を書いた書籍、元銀行員が融資の視点から書いた書籍・・・。内容は様々です。中には、投資用不動産を販売する会社等、投資不動産関連ビジネスを行う会社が自社プロモーションのために書いた、自費出版書籍もあります。この自費出版書籍が多いのもこのジャンル書籍の特徴です。
 
ここでひとつ注意して頂きたいのは、1冊に書かれている内容(主張)に引っ張られ過ぎないことです。不動産投資といっても、種類は様々です。新築マンション、中古マンション、1棟アパート…、またエリアに関しても東京23区に限定なのか、逆に地方都市に持つのか…。
不動産関連書籍の中には、中立な立場で書かれておらず、著者がいいと思っている一つの物件タイプについてのみ述べて、それ以外の物件はデメリットばかりを記しているようなものもあります。「こう投資すればいい」に対するエビデンス(論拠)がほとんどなく、あったとしてもその論拠は「自身の成功体験」だけというモノもアテになりません。特に自費出版書籍はその傾向があります。一度感化されて、同じ論調の本ばかり読み込んでいくと考えが偏ってくるので、まずは、いろいろなジャンルの不動産投資書籍をバランスよく読んで、自分なりにいいと思った投資方法を見つけるようにしましょう。

セミナーにおいても、重要なことは論拠に基づいた解説かどうか

今述べたことは、セミナーを聞く時にも言えます。セミナーは、デベロッパーや販売会社主催のものが多いですが、自社取り扱い物件のことだけを良くいうセミナーは、あまり勉強になりません。
もちろん主催セミナーですから、自社取り扱い物件の説明を行い、その物件へ投資するメリットを伝えることは当然行われますが、それだけのセミナーは物足りないと思います。やはり書籍と同じように、データ等論拠に基づいた解説が聞きたいところです。

百聞は一見にしかず!現地を見に行ってみよう。

書籍を沢山読んだりセミナーに参加したりしていくら知識を得たとしても、実際の物件を見る目を養わなければ意味がありません。もちろん、物件案内資料などを見て比較するだけでも、ある程度は把握できます。
しかし、駅徒歩時間が短くても、実際に現地に行ってみると「歩道橋を渡らなければならない」「踏切で待たされる」といったこともあるかもしれません。
また、中古物件などでは、実際の物件内部を見てみると案内チラシの写真とは程遠く、リフォーム代で予想外のコストがかかることも考えられます。
いくら勉強して、例えば収益シミュレーション等してもそれは机上の空論です。実際に投資物件を沢山見て、物件を見極める力を身につけることこそ重要です。

時間がない人は個別相談に行こう

セミナーに参加すると、終了後に個別相談の時間が設けてあります。営業されるかもしれないので、「気が引ける」という方もいるようですが、利用した方がいいと思います。
個別相談は、市況等全般的な話をするのではなく、自分個人のことを具体的に相談する時間にしましょう。
そのためには、事前に出来るだけ自分の情報を整理しておく必要があります。お勤めの方ですと、源泉徴収票の内容は重要です。住宅ローンの与信枠が分かるとともに、不動産投資の節税効果についても相談できます。
また、その他住宅ローン等の借り入れがある方は、その内容や残債をしっかり伝えましょう。不動産投資は、借入出来る額が非常に重要で、借入がある場合は与信枠からマイナスしなければなりません。さらに、既に不動産投資をスタートしている方は、現在の物件数とその収支などが分かるものを持参するといいでしょう。

勉強した時間・労力を自信に変える

不動産投資は購入金額も多額ですし、思わぬところでリスクが発生し、収支が狂ってしまうこともあります。
しかし、それまでにある程度時間をかけて書籍を読み勉強をし、様々なセミナーに足を運び、そしてプロに相談して自分で決めたという経緯があれば、それは少しでも自信につながるのではないでしょうか。
また、購入時だけでなく、購入後も常に不動産市況や購入した物件の情報を手に入れることができれば様々な対処ができます。不動産投資は長期の運用です。購入後も定期的にセミナーやオーナー向けの勉強会に参加したり、管理会社と密なやり取りをしたりするなど情報収集をしていくことをお勧めします。

不動産エコノミスト
一般社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。