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プロも容易に手を出さない!?地方物件での不動産投資

【目次】

―都心と地方の利回りの差はどれくらい?
―表面利回りとリスクは正比例?高利回りの裏にあるリスクを見落とさない
―土地勘がないエリアでの物件を購入する際のリスク
―物件を気軽に見に行けないというリスク
―利回り至上主義にならないことが重要

昨今の不動産投資ブームによって、都心のマンション価格は上昇を続けています。
そうなると、地方の物件に目を向けたくなる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、不動産投資を地方で行った場合のデメリットについてお伝えします。

都心と地方の利回りの差はどれくらい?

まず、なぜ、あえて地方を選択する人がいるのか、その理由のひとつが利回りの違いです。
一般的に同じような条件であれば、都心に比べ地方の投資物件の方が、利回りが高いです。

ここでは、プロの不動産投資家が「どれくらいの利回りだったら、そのエリアの物件を買ってもいいか」というアンケート結果を見ていきたいと思います。
その結果は以下の通りです。

エリア別キャップレート(賃貸住宅/ワンルーム)

想定物件

交通アクセス 最寄駅から徒歩5分
築年数 5年未満
延床面積 25~30㎡以上
総戸数 70戸程度


(早稲田大学「第26回不動産投資短観調査(2018年6月調査)」)

この数値は「キャップレート」と呼ばれ、各投資家が期待する採算性に基づく利回りとなります。
これで見ると、都心エリアは4%前半。地方都市にいくと徐々に高くなります。
このキャップレートは、不動産の純収益(NOI)を不動産価格で除して算出しますが、逆に、キャップレートから不動産価格を評価する場合、不動産価格=純収益÷キャップレートで算出することが出来ます。
つまり、月100,000円の純収益が見込めるワンルーム物件について、キャップレートが4%の3Aエリアでは、120万円÷4%=3,000万円の評価額となるのに対し、広島では5.8%なので、2,069万円となります。
満室想定で年間120万円の純収益がある物件に対して、都内有数の高級エリアと地方都市の広島だと約1,000万円の差が出ることになります。

表面利回りとリスクは正比例?高利回りの裏にあるリスクを見落とさない

もう少し、このキャップレートについて深堀してみましょう。
キャップレートは「リスクフリーレート」+「リスクプレミアム」といった2つの要素で構成されています。
「リスクフリーレート」とは、世の中で最もリスクの少ない投資対象資産の利回りを指し、一般には、「国債」の利回りなどを指すことが多いです。
次に「リスクプレミアム」とは、その投資物件固有の投資リスクのことです。

例えば賃貸住宅に関して言えば、エリア、交通接近条件、築年数、建物グレードなどが挙げられますが、先述の不動産投資家調査にて算出されたキャップレートは、エリア以外同じ条件であると設定した上での結果ですので、値の違いは純粋に「エリアのリスクプレミアム」と言えます。
つまり、都心と地方の利回りの差はリスクの差と言えるわけです。
地方での不動産投資で注意しなければならないポイントの一つ目は、高利回りの裏にあるリスクを見落とさないという点です。

土地勘がないエリアでの物件を購入する際のリスク

土地勘がないエリアで投資用不動産を購入することのデメリットをお伝えします。皆さんも住んでいるからこそ分かるそのエリアの特徴などはありませんか?

「あの道路の向こうはなんだか物騒なイメージ…」
「あのエリアは比較的上品な感じの人が多い…」

など、いいことも悪いことも“ならではの情報”があると思います。
また、実際住みたいと思う人がいないと空室になるわけなので、ご自身が居住する物件を選ぶ時と同様、駅まで歩く間に坂はないか、信号は沢山ないか、また、友人を招待したい場所か…など、実際に多くの人が住みたい物件かという軸で判断することも重要になります。
その点で、地方や遠方だと購入前に気軽に見にいくことが出来ません。
さらに、土地勘がないとそのエリアの物件相場の感覚もあまり身についていないので、相場よりも高く売りつけられてしまう危険性もあります。

物件を気軽に見に行けないというリスク

購入前に物件を見に行かずに決めてしまうことのリスクを紹介しましたが、たとえ地方まで足を運び現地調査をした上で購入したとしても、その後も遠方の不便さは付きまといます。
例えば、万が一、滞納が出た場合、連絡がつかない場合など、自分の目で確かめに行きたくても遠方では気軽に行くことはできません。
また、管理会社との付き合いも疎遠になってしまいがちです。
地方物件はいざという時なかなかアクションがとりづらいので、その点を事前にしっかりと認識しておくようにしましょう。

利回り至上主義にならないことが重要

こういったリスクを承知の上で、地方の物件を購入するのももちろんありだと思います。地方の物件の中には、都心と同じくらい賃貸需要が見込めるエリアが存在します。
都心か地方か、こればかりは不動産投資家の方それぞれの状況や価値観次第となります。

最後に、少し想像してみましょう。
あなたが、もし不動産投資に専念できる時間と体力、多少の空室があっても耐えられるお金があるなら、あまり土地勘のない地方のお得物件を購入しても、空室が長期化したらすぐ乗り込んで問題を発見し、解決に導くこともできるでしょう。
しかし、サラリーマンなど本業がある人、体力に自信が無い人、空室が続いても耐えられるだけのお金が無い人は、多少利回りが低くても、やはり安心・安定感のある都心物件がいいかもしれません。
都心、特に東京の都心は人口流入が続き毎年人口が増加しています。また、単身世帯数も増加していますので、東京都心の単身者向き住宅であればなお安心です。

自分の中で物件探しのブレない判断基準を決めて、それを貫き通すということがとても重要です。
「希少な物件」「もう申し込みが入りそう」といった言葉でつい焦って判断してしまいそうなときも、ブレない軸があれば少しでも冷静に判断は出来るはずです。