不動産投資のポイント

民泊の不動産投資は長期的なメリット・デメリットの見極めを!民泊新法も解説

はたして「民泊」は不動産投資に有効? その中身に迫る! 

近年、訪日外国人の増加に合わせて、不動産投資に民泊を活用したらおもしろいのではないかと考えている方もいるのではないでしょうか?
昨年(2016年)、訪日外国人の数は過去最高の2,403万9千人にのぼりました。

これは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらに増えるものと予想されています。
そこで数年前から注目されているのが訪日外国人を対象とした「民泊」事業です。不動産投資家のなかでも民泊を活用した投資をする人が増え始めています。
民間で民泊事業が進んでいるなか、政府ではその対応に出遅れていましたが、現在では民泊に関する新たな規制が定められるようになりました。

ここでは、民泊を活用した投資のメリットと注意すべきデメリットについて見ていきます。

そもそも民泊とは?

「民泊」とは、旅行者などがホテルや旅館ではなく、一般の民家に泊まることを指します。
ただ、「民泊」という言葉は、法律などで詳しく定義されている訳ではありません。

そもそも民泊とは無償で人を宿泊させる行為をいいますが、最近では資格などを保有せずともインターネット上の仲介サイトなどを通じ、 手軽に空き家・空き部屋を提供・賃貸して宿泊料収入を得る事業のことを指しています。

貸し出す対象は部屋でも家でも構いません。
空き家を貸すこともできますし、家主が住む部屋の一部を貸すこともできます。
この手軽さと柔軟性の高さが民泊事業のメリットといえるでしょう。

民泊の主な「メリット」と「デメリット」

訪日外国人が増え、民泊の需要が高まっているのは確かです。

しかし、民泊で収益を得ようとするにはデメリットもあるため、注意が必要です。
そこで、民泊における代表的なメリットとデメリットを以下にまとめてみました。

■メリット
・訪日外国人の増加により、今後も大きな需要が見込める
・家主にとって、インターネットで手軽に始めることができる
・短期間で貸すことができるため、一時的な都合で賃貸できる

■デメリット
・関連法の整備による規制や、マンション等の規約での禁止によって継続できなくなる可能性がある
・宿泊者と近隣住民(他の部屋など)とのトラブルが生じる恐れがある
・外国人の宿泊時には海外の習慣や法律を主張され、不測のトラブルが生じる恐れがある
・一般的な不動産賃貸と比べると融資を受けての物件購入がしにくい

民泊新法の成立

民泊新法の成立

政府は2017年2月に民泊のルールを定めた「住宅宿泊事業法」の概要を発表しました。
この法案は通称「民泊新法」と呼ばれ、その後同年3月に閣議決定されています。

これによって民泊に関する細かい規定が設けられ、家主となる事業者にはさまざまな届出が義務付けられるようになりました。
これから新たに民泊事業を考えている方にとっては確認しておく必要があります。

■必要となる主な届出
・商号、氏名、住所(法人の場合は役員氏名)
・住宅の所在地
・図面の添付
など

■業務に関する主な規定
・年間営業日数は180日以内
・床面積に応じた宿泊者数の制限と衛生管理
・非常用器具の設置、避難経路の表示、災害や火災時の安全確保
など

上記はあくまでも民泊新法の主な規定の一部です。
これだけを見ても、例えば営業日数の制限により、満室稼働でも1年のうち半年分までしか賃貸できなかったり、床面積などの要件によって物件選びをしたものの、 ゆくゆく一般の賃貸に切り換えるときに向かない物件になってしまったり、購入した物件が法改正によって民泊事業ができなくなってしまったりすることも考えられます。

手段を優先し過ぎて、状況に応じて「貸し方」を変更できない不動産投資は、中長期的に見れば時代変化に対応できない投資になってしまう可能性もあるのです。

その手軽さや今後の需要を考慮すると、確かに民泊事業はメリットがあるといえます。
しかし、不動産投資の原点である「中長期的に安定した賃貸」は、時代に応じた「貸し方の変化」、「多種多様な入居者の確保」があってこそでもあります。
民泊を活用した不動産投資を検討している方は、短期的なメリットに捉われず、少し長い目でイメージして様々な角度からメリットとデメリットを比較したうえで、始めることをおすすめします。

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。