不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

ワンルームマンション投資、これからのねらい目エリアは?

目次

―都心での新線構想と不動産価値
―有楽町線新線のねらい目エリア
―品川駅と都心部連絡地下鉄新線のねらい目エリア

2021年7月15日に、国の交通政策審議会(国土交通省の諮問機関)答申「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」が公表されました。
その中で、地下鉄8号線(有楽町線)の豊洲~住吉間の延伸や品川駅と都心部を結ぶ新線の構想などが「早期事業化を図るべき」と進言されました。

都心での新線構想と不動産価値

都心で計画されている新線構想のうち、比較的実現可能性が高いもの・早そうなものを列記すると、

1)有楽町線の豊洲から半蔵門線・新宿線の住吉駅を結ぶもの:東京メトロ
2)品川駅(JR・京急)と白金高輪駅を結ぶもの:東京メトロ
3)東京駅と羽田空港を直接結ぶもの:JR系

の3つがあげられます。

不動産の価値を大きく上げる要因として最大級のものは、インフラが整備されることです。都市部において鉄道新駅などはその代表です。
そのため、計画がどうなるか、またいつになるかは不透明な点も多いですが、このような新駅ができそうな場所にマンションを所有していると、実現した際に、価値が大きく上がります。

有楽町線新線のねらい目エリア

1については、1970年代から計画されているもので、こうした答申が公表されるといつも登場する地価鉄下鉄新線構想です。
すでに、豊洲駅、住吉駅とも線路が引かれているようで、あとは予算をどうするか、が論点のようです。
混雑率がひどい東西線の解決策として、また都区部の中では移動が不便と言われる江東区内の南北移動手段として期待されています。

有楽町線豊洲駅を起点として(おそらく、丸の内線の方南町支線の中野坂上駅のような感じと思われます。)、東西線の東陽町駅を経て住吉駅までの延伸となり、この先は半蔵門線に乗り入れるようになると思われます。
豊洲~東陽町間に新駅ができ(JR塩見あたり?:あくまで著者の想像です)、また東陽町~住吉間にも新駅(千石あたり?:同)ができると思われます。
このような計画も大きく影響していると思いますが、江東区は、近年投資用マンション(主にワンルーム)の販売戸数が増えており、2018年は23区内で1位、19年は2位、20年は1位となっています。

しかし、まだ下町のような場所も見られ、開発の余地があるマンション適地も多くありますので、今後も投資用マンションの開発は増えることが予想されます。
現在の駅から遠くても、もしかすると先に述べたような場所に新駅ができるとすれば、価値が大きく上がる可能性が高いと言えるでしょう。引き続きねらい目エリアだと言えそうです。

品川駅と都心部連絡地下鉄新線のねらい目エリア

2の計画は、品川駅は、新幹線の主要駅に加え、この後にできるリニア新幹線の基点駅として、また羽田空港へのアクセス線として(京急)国内外から往来が多い駅ですが、地下鉄が通っていません。
都心へのアクセス拡充のための新線と言えます。この新線は、高輪の台地を貫くように走ることとなります。
この間は短い距離のため、間に駅ができるかどうかわかりませんが、作るとすれば、泉岳寺の付近になるのではないかと思われます。

現在、JR高輪ゲートウェイ駅、京急泉岳寺駅、の一帯、品川駅高輪口周辺から港区高輪1丁目・2丁目の台地ではない部分、おおむね国道15号(第一京浜)に沿った一体エリアは、立ち退きが進んでおり、このあとの大規模開発が動き始めています。
このエリアは、大型ホテルの建替え計画、古いマンションの建て替え計画など、10年もすれば、街自体が大きく変わると思われます。
一方台地の上のエリアは皇族邸をはじめ、低層住宅も多く、マンションもありますが、日本屈指の高級住宅エリアとなっており、こちらは現在の雰囲気を留めることになるでしょう。
そのため、新しいマンションが建つことがほとんどなく、また投資用マンションの新規開発もほとんど見られません。

しかし、台地の下の大きく様変わりをするエリアには、投資用マンションワンルームマンションも開発される可能性もあるかもしれません。その際は、「迷わず買い」のエリアと言えるでしょう。

不動産エコノミスト
一般社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。