不動産投資の良し悪しはケースバイケース!失敗例から5つのポイントを整理しよう

近年、不動産投資は「安定収入が得られる投資」として注目され、多くの方が実践しています。しかし、その中には「思ったよりも儲からない……」「維持費の負担が大きく赤字になった……」など、失敗を振り返る方も少なくありません。

ここで注意したいのは、不動産投資そのものが危険というわけではなく、ケースバイケースで良し悪しが変わるということです。不動産投資での成功は「運」や「タイミング」に左右される場合もありますが、失敗にはある程度共通する原因があります。

そこで、本記事では、不動産投資の主な失敗例を整理しながら、不動産投資で大切な5つのポイントを解説します。

目次

不動産投資のよくある失敗例4選

まずは、不動産投資のよくある失敗例を解説します。

物件が想定していた値段で売れない

不動産投資は、「インカムゲイン(家賃収入)」と「キャピタルゲイン(売却益)」の両立によって利益を狙う投資です。そのため、不動産投資では「購入した物件を売却すること」を出口として投資計画を立てることが一般的です。しかし、売却の段階で物件に想定通りの値段がつかないケースがあります。

これには、主に以下の原因が挙げられます。

・物件エリアの問題
→人口減少が進むエリアや再開発の見込みがないエリアでは、物件価格が上昇しにくい

・出口戦略の検討不足
→購入時に「将来誰に売れるか?」という視点を考慮しておらず、買い手がつかない

・売却時期の読み違え
→「売却時期が、不景気などの売りにくい時期と重なった」「その物件や投資計画の損益分岐点を超えず、売却してしまった」などのケース

不動産投資では、十分なインカムゲインを得られたとしても、計画通りに売却できなければ思わぬ失敗につながりやすいのです。

次の入居者が見つからない

不動産投資の収益は入居者が支払う家賃によって成立しているため、「空室リスク」が最大の不安要素となります。退去者が出た後に次の入居者が見つからない、などの状況で想定外の収入減少に悩まされる不動産投資家は少なくありません。

これには、主に以下の原因が挙げられます。

・立地の需給バランスが悪い
→周辺に競合する新築物件などが増加すると、入居者の取り合いが発生しやすい

・設定している賃料のミスマッチ
→賃料が相場よりも高ければ、入居者から敬遠される原因となる

・入居者層の読み違え
→単身者需要が多いエリアでファミリー向け物件を買ってしまった、など運用している物件が入居者のニーズに合っていない

空室リスクを減らすには、物件エリアの人口動態や再開発計画の有無などを調べて、入居者のニーズを把握することが大切です。

想定よりも維持費・管理費がかさむ

不動産投資では、物件の購入費用以外にも、設備の維持費や管理費など様々なランニングコストが発生します。これらの支出を把握していなければ、計画通りに不動産投資を進められないケースが多いのです。

これには、主に以下の原因が挙げられます。

・賃料相場が低い立地
→維持費・管理費の金額の地域差は小さいが、賃料はエリアによって大きく異なるため、賃料相場が低いエリアでは収入に対する支出割合が高くなる

・共用部分が多い
→機械式駐車場や豪華なラウンジなどの共用部分が多い物件は魅力的だが、直接収益を生むわけではない一方で維持費や管理費が高額になりやすい

・管理会社のサービスの差
→物件管理のサービス内容や料金は管理会社の実績や規模によって差が出やすく、物件管理が不十分だと問題が放置されて大きな支出をともなうケースがある

不動産投資を成功させるには、これらの支出を把握しておくことが大切です。

投資の実態が聞いていた内容と違う

「営業担当者から説明された内容と投資の実態が違う」というケースは、不動産投資初心者に多い失敗です。営業トークの一環として「高利回り」などの良い話を聞かされていても、実際に物件を購入すると空室ばかりで収益を得られない、といったトラブルは後を絶ちません。

この背景には、主に以下の原因が挙げられます。

・不動産会社の体質
→物件を売ることだけが目的の不動産会社では、購入後の運用サポートを行っていない場合が多い

・売れ残り物件の押し付け
→不動産会社が抱える売りにくい物件を、在庫処分として投資初心者をターゲットに販売する場合がある

・営業担当者の知識不足
→離職率が高い不動産会社では知識や実績が少ない営業担当者が多く、担当者が変わる際に仕事の引継ぎが不十分になりやすい

不動産投資においては、購入する物件だけでなくパートナーにする会社や担当者も慎重に選ぶことが大切です。

失敗例から学ぶ不動産投資の5つのポイント

以下では、先述の失敗例から学ぶべき、不動産投資で大切な5つのポイントを解説します。

購入の時期を見極める

不動産投資は、物件を購入する時期によって成否が分かれます。

例えば、低金利の時期に購入するとローン返済の負担が軽くなるため、収入と支出のバランスが取りやすくなります。また、不景気の時期には物件価格が落ち着きやすく、景気を押し上げるために不動産税制の優遇措置が実施される場合もあるため、物件の買い時の目安となりやすいです。

つまり、購入後に無理なく運用でき、売却チャンスをじっくり待てる時期に物件を購入することが大切なのです。

物件の立地を見極める

利回りなどの条件が良い物件でも、立地が悪ければ入居者が決まらない原因になります。
そのため、持ち家率が低くシングル世帯が中心の場所であれば高いワンルーム需要が見込めるなどのように、立地からターゲットとする入居者を明確にすることが大切です。

また、立地の以下のようなポイントに注目して、売却時に「次の買い手が見つかるか?」も検討していきましょう。

・認知度が高い立地
→有名な立地は、国内だけでなく海外投資家の買い手も見つかりやすい

・再開発予定がある都心
→再開発に合わせて賃貸物件の需要増加が見込める立地は、物件価格の上昇に期待できる

・利便性が高い立地
→交通アクセスが良好などの立地にある物件は、自分で住む目的で買い手が見つかるケースも多い

このように、立地は不動産投資において賃貸需要や将来の売買価格に直結する重要なポイントなのです。

不動産投資に適した物件かを見極める

物件そのものの構造や性質も収支に直結する大切なポイントです。
先述の通り、賃料に影響しにくくメンテナンスが必要な共用部分は、維持費や管理費がかさむリスクがあります。そのため、総戸数や建物内の共用部分のバランスは、運用のしやすさや収支に直結する要素です。

また、築浅で標準的な間取りの物件は、構造が分かりやすくリノベーションの余地も残されているため、売却時に買い手が見つかりやすい特徴があります。

このような理由から、「比較的新しいシンプル構造のワンルームマンション」などの物件は、長期的に安定した不動産投資を実現しやすいのです。

安心できる会社を見極める

不動産投資では、パートナーとなる不動産会社や管理会社を見極めることも重要です。

例えば、物件の開発や販売、管理までをワンストップで行っている会社なら購入前に無責任な話はせず、購入後のことまで丁寧な説明をした上で手厚い運用サポートをしてくれるでしょう。
また、管理戸数が多く実績も豊富な会社であれば、物件管理や入居者募集などのノウハウにも信頼性があります。
さらに、実績のある不動産会社は、不動産ローンを提供する銀行や金融機関の提携先も広いため、金利などの融資条件も有利な場合があります。

不動産投資では長年のノウハウや実績を持つ老舗企業をパートナーに選ぶことが大切です。

お得な買い方を見極める

不動産投資を成功させるには、以下のような買い方を狙うのも大切なポイントになります。

・ローンキャンセル物件
→「ローン審査に通らなかった」などの理由で契約解除になった物件は、売主が早く現金化をしたい、再販物件として市場に出回ると買い手が付きにくい、などの事情から安く購入できる可能性がある

・不動産会社やデベロッパーの決算期
→決算期になると、「在庫を持ちこしたくない」「売り上げを計上したい」などの事情から、値下げをしてでも売ることが優先されやすくなるため、物件を安く購入できる可能性がある

また、販売担当者は優良物件や未公開物件の情報があれば、お得意様へ優先的に情報を提供する傾向があるため、担当者との信頼関係を構築しておくことも不動産投資を成功させるためのカギとなります。

まとめ

本記事で解説した不動産投資の失敗の多くは、購入前の段階で回避やリスク軽減ができるものです。

不動産投資には、「信頼できる不動産会社には良い情報が集まり、信頼できる投資家は良い条件で良い物件を購入しやすくなり、結果として良い入居者が集まり収益を得られる」というサイクルがあります。
そのため、本記事で解説した5つのポイントを整理して、信頼できる会社を選び、販売担当者との良好な関係を築くことが、不動産投資で成功する秘訣なのです。

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この記事の著者

時代に合った不動産投資を、具体的な事例やノウハウを元にリアルに情報発信している「スクエア編集部」。 40年以上、物件開発から賃貸・建物管理、仲介を行ってきた老舗グループ企業による運営の下、読者に確かな不動産投資を推奨すべく活動しています。

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