不動産市況を読み解くためのデータの入手方法とその見方

「持家比率」「世帯数の予測」データの入手手法とその読み解き方

せっかく不動産投資をしたのに、そのエリアはそもそも賃貸比率が低く、なかなか借り手が見つからない…。
そんな事態を避けるためには、購入前に該当エリアの持家比率を確認しておく必要があります。
今回は、持家比率のデータの入手方法とその読み解き方について述べていきます。

都道府県別持家比率ランキング

以下は都道府県別の持ち家比率のランキングです。

(総務省統計局「H25年住宅・土地統計調査)

上位には、日本海や東北の県が並んでいます。持ち家比率の高さの理由としては様々なものが考えられます。
例えば、県民性。富山県など雪国と言われるエリアでは、その環境より、勤勉で忍耐強い県民性が醸成され、高い持ち家比率の一因を形成しているという見解もあり、県民性から持ち家比率の根拠を思案するのも面白いと思います。

データの算出方法

今回もデータの出所は、総務省統計局が公表している「住宅・土地統計調査」http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/kekka.htmです。

このデータは、都道府県単位だけではなく、市町村単位でも算出できます。
算出方法は単純で、「住宅の所有の関係(2区分)」が掲載されている表において「持ち家」と「総数」からパーセンテージを算出すれば分かります。
また、本調査は平成10年から5年毎の調査結果がHPに掲載されているので、持ち家比率がどのように推移しているのかを調べてみるのも有効かもしれません。

データから持家比率を考察する

持ち家比率の高い低いの根拠のひとつとして考えられる「単身世帯数」という観点から、持家比率を深堀してみましょう。

都道府県別 持家比率と単身世帯比率の比較

(総務省統計局「H25年住宅・土地統計調査」より筆者が作成)

これを見ると、単身世帯比率が低いほど、持ち家比率が高いという相関性が伺える一方で、東京都と沖縄県は散布図の近似曲線から乖離しているのが分かります。
東京都は単身世帯比率が46.7%と群を抜いて高いのがその一因と言えそうですが、沖縄県に関しては、単身世帯比率が同レベルの都道府県に比べて、持ち家比率が低いといえます。
その理由としては、色々と考えられますが、所得の低さや賃貸住宅を好む県民性などが原因だと思われます。

同じ「H25年住宅・土地統計調査」によると、全国平均で単独世帯のうち62.4%が貸家に住んでおり、単身世帯と持ち家比率が相関関係にある裏付けになる数字だと言えます。

都道府県別 親族世帯における貸家が占める割合

一方、親族世帯に関しては、持ち家世帯が増え、貸家に住む世帯は23.4%に留まります。
しかし、沖縄県では、この割合が43.1%と全国平均に比べて高く、上記散布図における沖縄県の特異性を表していると言えそうです。

東京23区の世帯数予測

また、東京23区のなかでも、世帯数の将来予測には、違いがあります。
下図は、東京23区別の2035年の世帯数予測です。図表の右側の表は2015年対比となっています。

これをみればわかるように、23区内でもいくつかの区では世帯数が減る予測となっています。こうした予測も不動産投資の参考になるでしょう。
世帯数の予測は、国立社会保障・人口問題研究所のサイトに詳しく見ることができますので、アクセスしてみてください。
www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp

 

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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