9割以上が「預貯金だけ」は不安。一方で投資への不安は「元本割れ」が最多
不動産投資で生活を豊かにするWebサイト“不動産投資スクエア”(運営会社:株式会社クレアスライフ)は、資産形成を行っている全国の20歳~59歳188名を対象に老後に向けた投資や貯蓄に関する考え方や、参考にしている情報源、今後検討したい手段などをお聞きしました。
調査回答者:国内在住20歳~59歳の男女(1年以内に資産形成を実施している人)
有効回答数:188名
調査期間:2026/3/18~2026/3/26
調査機関:株式会社クレアスライフ
調査方法:インターネット調査
資産形成経験者を対象に実施した今回の調査では、多くの回答者が投資経験を持ちながら、最大の不安として「元本割れ」を挙げました。制度の普及によって投資の実践は進んでいる一方で、生活者の心理としては依然として慎重姿勢が強く、安定性や分散へのニーズが高いことが見えてきました。
資産形成は“始める時代”から、“不安と向き合いながら続ける時代”へ移りつつあり、今後は収益性だけでなく、中長期的な安定性や継続しやすさを含めた選択肢の提示がより重要になると考えられます。
1. 資産形成を意識する背景・環境変化
設問1:あなたは最近の物価上昇を受けて、家計への負担感をどの程度感じていますか。いちばん近いものを1つお選びください。

物価上昇による家計負担については、「非常に感じる」「やや感じる」あわせて90.5%を占めており、足元の生活コスト上昇が多くの回答者にとって現実的な負担になっていることが分かります。資産形成への関心の背景には、こうした日常の負担感が強く影響していると考えられます。
設問2:物価上昇や金利上昇を受けて、資産形成の必要性を以前より強く感じるようになりましたか。いちばん近いものを1つお選びください。

資産形成の必要性を感じると思う方は87.3%。物価上昇や金利上昇を受けて、資産形成の必要性を以前より強く感じるようになった人が多数派でした。負担感を感じるだけでなく、それをきっかけに「備えの必要性」まで意識が移っている点が特徴です。
設問3:現在の日本の社会環境を踏まえたとき、預貯金だけで将来に備えることに不安を感じますか。いちばん近いものを1つお選びください。

預貯金だけで将来に備えることへの不安は非常に強く、「非常に感じる」「やや感じる」あわせて90.4%を占めており、前述の物価高負担を感じる割合とほぼ同値となっています。現在の社会環境では、現金中心の備えだけでは十分ではないという認識が広く浸透している様子がうかがえます。
2. 資産形成に対する考え方・心理
資産形成への関心が高まる一方で、重視されているのは収益性だけでなく、安定性や損失への不安にも配慮した堅実な視点です。
設問4:あなたが1年以内に行った資産形成の手段をすべてお選びください。

NISAでの運用が過半数で最も高く、預貯金も約半数に上ることから、制度を活用した投資と安全資産を組み合わせながら、堅実に資産形成を進める傾向が見られました。
設問5:あなたが資産形成の手段を選ぶ際に重視することを、あてはまるものすべてお選びください。

資産形成の手段を選ぶ際に重視されているのは、「長期的な安定性」「元本割れリスクの低さ」「少額からできること」でした。高いリターンよりも、無理なく始められて長く続けやすいことが重視されており、堅実志向の強さが表れています。
設問6:物価上昇局面において、有効だと思う資産形成の考え方にもっとも近いものを1つお選びください。

物価上昇局面で有効だと思う考え方としては、「複数の資産に分散する」が最多で、「収益を生む資産を持つ」が続きました。単一手段に頼るより、分散や収益性を意識した資産形成が有効だと捉えられていることが分かります。
設問7:あなたは現在の資産形成において、どのような課題を感じていますか。あてはまるものをすべてお選びください。

現在の課題として最も多かったのは「元本割れが怖い」で、次いで「利益が出るか不安」「情報が多すぎて判断しづらい」でした。損失不安に加え、情報の多さが判断の難しさにつながっており、知識不足というより“選びきれない不安”が大きいことがうかがえます。
設問8:将来に向けた資産形成では、どのような収入の形にもっとも魅力を感じますか。

将来に向けた資産形成で魅力を感じる収入の形は、「定期的な分配・配当」が最も多くなりました。「資産の値上がり益」よりも、継続的に受け取れる収入への魅力がやや強く、安定したキャッシュフローへの関心が高い傾向が見られます。
設問9:あなたは「インフレに強い資産」と聞いて、どのような資産を最初に思い浮かべますか。1つお選びください。

「インフレに強い資産」として最初に想起されるものは「金・コモディティ」が最多でした。株式や投資信託よりも、物価上昇局面に強い資産として実物資産を想起する人が多く、インフレ耐性のイメージは比較的分かりやすい資産に寄っていると考えられます。
設問10:資産形成に関する情報について、十分に収集できていないと思うものをすべてお選びください。

十分に収集できていない情報としては、「リスクとリターンの考え方」が最も多く、次いで「自分に合う手段の選び方」「各手段のメリット・デメリット比較」が続きました。基礎知識そのものよりも、比較・判断・自分ごと化に必要な情報が不足していると感じられている点が特徴です。
設問11:今後の資産形成について、あなたの考えに最も近いものをお選びください。

今後の資産形成の考え方としては、「安定性を重視したい」が最多で、「より分散を意識したい」が続きました。「収益性を重視したい」は相対的に少なく、全体としては大きく攻めるよりも、リスクを抑えながら安定的に備えたい意向が強い結果といえます。
3. 実際の行動・検討状況
必要性を感じるだけでなく、情報収集や手段の比較、配分の見直しなど、実際の行動にも変化が表れています。
設問12:あなたは下記についてどの程度詳しいですか。

資産形成手段ごとの理解度を見ると、「預貯金」は理解度が最も高く、日常的で身近な手段として定着していることがうかがえます。一方で、「NISA」「株式」「投資信託」は比較的理解が進んでいるものの、「FX」「債券」「不動産投資」「暗号通貨」は“名前は知っているが詳しくは知らない”層も多く、資産形成経験者であっても手段によって知識差があることが見て取れます。
設問13:この1年で、資産形成に回す金額や配分は変わりましたか。

この1年で資産形成に回す金額や配分を「変えていない」が過半数を占めました。一方で、「増やした」「やや増やした」を合わせると42.6%となっており、全体としては現状維持が中心ながら、一部では積極化の動きも見られます。
設問14:資産形成を広げるうえで、今後検討してみたいものをすべてお選びください。

今後検討したい資産形成手段では、「NISAでの運用」が最も多く、次いで「株式」「金・プラチナ・銀」「投資信託」が続きました。制度面の追い風があるNISAへの関心が強い一方、比較的身近で選びやすい手段に関心が集まっていることが分かります。
設問15:資産形成に関する情報収集について。情報源として参考にしているものをすべてお選びください。

情報源としては、「ニュースサイト」が最多で、「テレビ・ラジオ」「銀行・証券会社のサイト」「YouTube」も一定の利用があります。公的機関や専門家サイトよりも、日常的に接触しやすいメディアが主な情報源になっており、情報収集は“専門特化”より“身近さ”が優先されている傾向が見られます。
4. 不動産投資に対する認識・情報ニーズ
不動産投資には関心も見られる一方で、不安や理解不足も残っており、判断材料となる情報が求められています。
設問16:不動産投資について、現在の関心度に最も近いものを1つお選びください。

不動産投資への関心度は、「名前は知っているが関心は低い」「判断できるほどの知識がない」が多く、全体としては関心の温度感が高いとは言い切れません。一方で、「具体的に検討したことがある」層も一定数おり、無関心一辺倒ではなく、関心層と非関心層の差が比較的大きいテーマといえそうです。
設問17:先ほどの質問で「判断できるほどの知識がない」以外を選んだ方のみにお聞きします。不動産投資の種類について、どの程度知っていますか。

不動産投資の種類に関する理解は、相対的に「アパート/マンション1棟」「区分マンション」「REIT」で進んでいる一方、「不動産小口化商品」や「不動産クラウドファンディング」は認知・理解がやや弱い傾向でした。従来型の不動産投資はある程度知られている一方、新しい選択肢はまだ十分に理解されていない様子が見られます。
設問18:不動産投資に対して持っているイメージをすべてお選びください。

不動産投資のイメージとしては、「空室や家賃下落が不安」「初期費用が大きそう」「管理が大変そう」といった負担・リスク面が上位でした。一方で、「安定収入が期待できそう」「インフレ対策になりそう」といった前向きな印象も一定数あり、期待と不安が併存しているテーマであることが分かります。
設問19:不動産投資について、詳しく知りたいと思うテーマがあればすべてお選びください。

十分に収集できていない情報としては、「リスクとリターンの考え方」が最も多く、次いで「自分に合う手段の選び方」「各手段のメリット・デメリット比較」が続きました。基礎知識そのものよりも、比較・判断・自分ごと化に必要な情報が不足していると感じられている点が特徴です。
まとめ
資産形成経験者が中心の本調査であっても、不安要素として「元本割れ」が最も多かったことは、多くの人が“増やす”以上に“守りながら続ける”ことを重視している表れといえます。
今後の資産形成市場では、短期的なリターン訴求だけでなく、安定性や分散性、継続性をどう提示できるかが一つの鍵になりそうです。今後は値上がり益だけを期待するのではなく、安定した収益を生む資産や、複数の資産を組み合わせて備える流れの中で、実物資産も含めた検討の幅は今後さらに広がるのではないでしょうか。

