税理士が教える失敗しない不動産投資

不動産を活用して相続税対策をする方法

1、相続税とは

相続税は、死亡した人の財産を相続、また遺贈されたことによって財産を取得した場合に、その取得した財産の価額を基に課される税金です。但し、相続税は約8割の人が納付を考える必要のない税金でもあるのです。非課税枠に収まってしまうからです。事前に合法的な節税対策を行い、非課税枠に資産評価額を減少させておけば、相続税の支払いは自然になくなります。それでも最近、相続税の増税が行われ、都心部に不動産を所有する人は、相続税の納付が必要になるケースが増えています。そこで、その概要を知っておきましょう。

相続税の計算は、初めに相続する財産全体を特定し、その相続財産の評価額を算出します。そしてその評価額をもとに全体の相続税額が決まります。次に、その財産を相続する人(もらう人)が、相続する財産の割合に応じて、相続税額を案分することで相続税が決まります。

都心部では、特に不動産の評価が高いので相続税に関する対策が必要になります。対策は大きく3通りです。
①相続する財産の評価を下げる。
②相続税を生命保険等で準備する。
③相続財産を計画的に贈与する。
つまり、税金を下げるか、払うか、なくすかです。どの対策も事前準備が必要になります。

2、どのくらいの財産があるのかを事前に把握する。

財産というと、現金、銀行預金、株や国債等の金融商品を想像しますが、実務で相続に関わる財産の約7割は不動産です。

夫婦と子供二人という一般的な家庭での相続税の非課税枠は基礎控除3,000万円+600万円×3人(夫婦どちらか一人が死亡)=4,800万円です。(その他、生命保険は、相続人一人当たり500万円の控除を受けられます。)国民の平均的な貯蓄は2,000万円未満なので、他に金融商品を保有していることを考慮しても、金融商品は時価評価が基本ですから、財産が預金や金融商品のみである場合、多くの方は相続税には関係ないのです。

しかし、財産に不動産が含まれる場合は変わってきます。都心部に住んでいると、50坪程度の一般的な住宅でも、その不動産評価額が1億円を超えることもあり、相続税が発生する可能性が高くなります。そこで、その不動産評価の方法を知っておきましょう。

3、資産の評価方法

不動産は、すべて一つしかないのでその評価が難しいものです。相続税の計算で土地は、路線価と固定資産税評価額から算出します。

「路線価方式」は、国税庁の作成する「路線価図」から、どの道路に面しているかで評価します。すべての場所に路線価が決まっているわけではなく、郊外では固定資産税評価に国税庁が定める倍数を掛ける「倍率方式」を使います。そして、個別要因となる土地の形や大きさ、面している道路の数等を勘案して補正していきます。 実際に売買される土地の実勢価格と比較すると、毎年発表される公示価格は実勢価格の9割、路線価が7~8割、固定資産税評価額が6~7割といった価格になっています。

建物は、固定資産税評価額を使います。実勢価格との差額が存在することで、不動産投資には節税効果が生まれます。また、投資用マンションは、建物を人に貸し出すので、借家権分評価が下がります。また、土地は貸家建付地となり自分が使う自用地よりも2~3割評価が下がります。この自用と賃貸用との差額が節税効果を生みます。

なお、有価証券の上場株式は、死亡した日の最終価格と前3か月間で一番低い価格で評価します。上場株式は時価評価、かつ相場が毎日変動するので節税効果はありません。また、取引相場のない株式の評価は様々な方式があり、専門的な知識が必要になります。最終的に、税務署と相談しながら決めることになると思います。

4、保険

投資用マンションを銀行借り入れを利用して購入すると、年齢にもよりますが、銀行は銀行を受取人として生命保険を掛けます。保険料も銀行負担です。この保険料は、金利として上乗せされていますが、一般的な生命保険料と比較すると極めて少額です。万が一のことが発生した場合は、銀行は生命保険からローンの返済を受けるので、不動産はそのまま相続財産になります。不動産は時価で売却可能なので、相続税が発生した場合に、相続税の支払い原資になります。 投資用マンションの購入理由の約3割は、この生命保険が目的というアンケート結果が出ています。

つまり、働き盛りの間は、所得税を節税したり(別コラムで今後ご説明します。)、老後の保険として活用したりすることが可能なのです。但し、金融機関により加入時の年齢制限があり、また最終返済時の年齢も決められています。

5、相続税の改正

平成29年度税制改正大綱では、富裕層や多国籍企業の過度な節税(タックスヘイブン対策税制の導入)を防止する対策が盛り込まれています。相続税関係では、高層マンションの固定資産税の見直し、タワマン節税を封じました。また、相続税の「5年ルール」が「10年ルール」に見直されています。海外移住に伴う海外資産の課税を10年超の海外居住者を除き、日本の相続税が課されることになります。従来は、5年住めば非課税でした。


このように節税効果が大きく、金融商品に比べ比較的投資元本が安定し誰にもできるのがマンション投資なのです。ローンに団体信用生命保険がかけられるのも魅力の一つです。自身の老後の対策だけではなく、子供、孫の世代に資産を受け継いでいくために、マンション投資をご検討されてはいかがでしょうか?

税理士 齋藤聡

慶應義塾大学 経済学部(計量経済学専攻)卒業。 東京大学大学院 法学政治学研究科(民刑事法専攻)修了。 東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)に20年間勤務、銀行で法務とベンチャー支援の知識を身に着ける。その後産業能率大学にて、法律、税法、ビジネスプラン等を教え、現在教授を務める。

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