不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

最近の賃料の動向とワンルームマンション賃料の特徴

―都心物件の賃料上昇続く
―ワンルームマンション賃料の特徴
―まとめ:賃料の特性と2019年の賃料展望

都心物件の賃料上昇続く

1月から、賃貸住宅入居者の入れ替わりが始める時期で、2月~3月初旬のハイシーズンの前に探しておこうとする方々が動き始めるころになります。
住宅の賃料データは細かく分析されたものが少なくいため、具体的なデータではお示しできませんが、不動産会社 の方々に聞くと、ここ数年間都心の賃料は上昇基調が続いていると、多くの方々が言っています。
また、高級賃貸マンションを中心に扱う不動産会社の声として「2017年以降、高級分譲マンションの賃料が上昇し続けている。」のようです。
とくにファミリータイプで家賃30~50万円くらいの分譲マンションの引き合いが多く、人気のタワーマンションなどの物件が出ると、客足が早くまた、賃料の指値もほとんどない ようです。
こちらは、細かいデータありますので、図で解説しましょう。

図1は東京カンテイ社が公表している分譲マンション賃料の推移です。これを見ると首都圏での分譲マンション賃料が2017年以降上昇しているのがわかります。
背景には、住まいとして中古マンション(あるいは新築マンション)を購入しようとしている方が、現在の高値を敬遠して、購入するのを控えているからのようです。
例えば、かつては坪単価300万前後だった都心のマンション価格が現在は400万を超える水準になっており、標準的なファミリータイプ70㎡(約21坪)で換算すると、6000千万円台だったのが8000万円を軽く超える状況です。そのため、「しばらく待とう」と考えているようです。

また、逆にもともと分譲マンションを所有していた方々が高値の現在、買値よりも高い値段で物件を売却し、そして現在は別の分譲マンションをに賃貸で住んでいるしている 例も多いようです。
中古マンション・新築マンションともも、価格上昇は止まる気配ですが、下落の気配もあまり見られないので、まだまだ首都圏分譲マンション賃貸は好調が続くと思います。

ワンルームマンション賃料の特徴

このような賃料水準が30~50万円台のファミリータイプの賃料は、さきほど述べた不動産市況により、多少左右されます。
いうまでもありませんが、賃料が100万円を超えるような超高額賃料物件では、そのブレ幅も大きくなります。
逆に、ワンルームマンションはあまり不動産市況に左右されません。不動産市況が好転して賃料上昇基調のさなかでも上がり方は少しずつです。しかし、不動産市況が大きく悪化しても、ほとんど賃料は下がりません。
このように、都心のワンルームマンションは空室が出にくいという安定性に加えて、賃料の下落幅率が少ない低い という安定性もあります。
近年高級なファミリータイプの分譲マンションを投資用に購入する方も多いようですが、マンション価格上昇の現在、利回りはそれほど期待できません 。
また、ここに来てマンション価格は上昇から横ばい基調に転じています。そのため、大きな価格上昇は望めません。
こうして考えると、現在はワンルームマンション投資の方が、安定性が高いと思います。

まとめ:賃料の特性と2019年の賃料展望

最後に、賃料の性質について述べておきます。参考にしてください。
賃料には「遅効性」という特徴があります。市況の波、価格上昇の波にやや遅れて、変化が起こるというものです。
図1で見たように中古マンション価格は2012年の後半~2013年初めごろから上昇基調にありました。それからじわじわと賃料上昇のキザシは見えていましたが、2017年頃からはっきりと賃料上昇基調が見えました。
2019年の賃料は、都市部を中心に概ね上昇基調にあると考えています。
もし仮に、マンション価格が下がったとしても、「賃料の粘着性 」という特性から、賃料下落はその2年くらい後になると思います。こうして考えると2019年~2020年の賃料状況は上昇、仮に市況が悪化しても横ばいだと思います。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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