税理士が教える失敗しない不動産投資

仮想通貨の売買益についての税金

1、仮想通貨の売買による所得の申告について

国税庁から平成2912月に仮想通貨に対する税金の処理について、具体的な処理方法を示しました。

「仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。
事例に応じた適正な価額による一般的な取引を前提に記載しています。ただし、年末調整済みの給与所得を有する人で、仮想通貨の売却又は使用による所得が20万円以下については、その他に所得がない場合、確定申告は不要です。」(国税庁HPより)

2、仮想通貨とは

仮想通貨とは、ネット上で取引され、国が発行する通貨に類似した取引の実現を目的に開発者によって作られたデジタル通貨で、その通貨の価値を信じる特定のコミュニティーメンバーのみで流通するものです。
国が管理する中央銀行が発行する通貨と異なり、国によるその価値の保証はありません。あくまでも仮想通貨を信じる特定のコミュニティーの中で売買され、現実に円やドルとの相場が決められ、価値が創造されています。
買い手がいなければ価値はないのですが、現実にネット上で売買され価値が創造されています。

具体的な利用方法は、まずネット上に口座を作成。作成時には、メールアドレスと個人情報を登録します。
現実通貨の銀行口座に、その時の交換レートによる金額を振り込むことで、仮想通貨を入手することができます。

交換レートは刻々と変化しています。仮想通貨を保管するウオレット(財布)を別のサイトで作成することで、仮想通貨の運営主体から独立して管理することができます。その財布から、様々な仮想通貨や現実の通貨に交換することが可能です。

繰り返しますが、あくまでも、その価値を信じる人の間で、売買が成立した場合に限られます。
その時に相場が上下しているので、売買損益が発生するのです。私自身も実際に仮想通貨の利用を行ってみましたが、非常に手続きは簡単です。
ただし、運営者は銀行のように社会的な信用のある組織とは異なることは承知しておきましょう。

3、仮想通貨の売買損益の算出方法

仮想通貨の交換レートは、刻一刻変動します。株式市場のような法律に基づいて整備された市場があるわけではなく、ネット上で売り買いをマッチングさせているだけです。
変動する仮想通貨の利益をどうやって申告するかというと、簿記で仕入原価を算出する時と同じ考え方で、移動平均法や総平均法を使って、購入価格(原価)を算出して利益を確定させます。
実現益は、

①円やドル等の他の通貨に換算したとき
②仮想通貨で商品を購入したとき
③他の仮想通貨に交換し合っとき

等に、その時の実際に使った交換レートと、移動平均法や総平均法等で計算した購入原価の差額を利益として算出します。
交換レートが上昇し含み益がある場合でも利益が実現していない場合は、株式と同様で含み益があるだけで実現していないので、納税の義務はありません。
仮想通貨を分裂、分岐した場合も、利益が確定したとは言えないので、納税義務は生じません。

4、事業所得となる場合

「ビットコインをはじめとする仮想通貨を使用することによる損益は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所 得に区分されることとしています。
しかし、例えば、事業所得者が、事業用資産として ビットコインを保有し、決済手段として使用している場合、その使用により生じた損益については、事業に付随して生じた所得と考えられますので、その所得区分は事業所得となります。
このほか、例えば、その収入によって生計を立てていることが客観的に明らかであるなど、その仮想通貨取引が事業として行われていると認められる場合にも、その所得区分は事業所得となります。」(国税庁HPより)。

雑所得は、他の所得と損益通算できません。
しかし事業所得とみなされる場合は、損益通算ができるので、納税額が、所得区分により大きく左右されます。この部分が重要であることが分かると思います。

一般的に、仮想通貨の売買による損失は、給与所得等の他の所得と損益通算することはできません。

5、仮想通貨の証拠金取引

「仮想通貨の証拠金取引による所得については、申告分離課税の適用はありません。総合課税により申告することになります。
外国為替証拠金取引(いわゆるFX)は、金融商品取引法に規定する取引であり、租税特別措置法の「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の規定により、申告分離課税の対象とされています。
租税特別措置法上、先物取引にかかる雑所得等の課税の特例(申告分離課税)の対象は、金融商品取引法等に基づき行われる商品先物取引等、金融商品先物取引等、カバードワラントの取得等とされており、仮想通貨の証拠金取引はこれらのいずれの取引にも該当しませんので、申告分離課税の適用はなく、その取引により得た所得については、総合課税により申告することになります。」(国税庁HPより)

6、仮想通貨のマイニング(採掘)について

「マイニング(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象となります。
この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算します。
なお、マイニング等により取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となります。」(国税庁HPより)

税理士 齋藤聡

慶應義塾大学 経済学部(計量経済学専攻)卒業。 東京大学大学院 法学政治学研究科(民刑事法専攻)修了。 東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)に20年間勤務、銀行で法務とベンチャー支援の知識を身に着ける。その後産業能率大学にて、法律、税法、ビジネスプラン等を教え、現在教授を務める。

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