不動産投資ローンと生命保険

不動産投資の流動性リスクとは?株式投資との違いや備え方

不動産投資を成功させるには、対処すべき、知っておくべきリスクがいくつかあります。
今回はその中でも、不動産投資における流動性リスクに焦点をあて、その概要やリスクを抑える方法についてご紹介していきます。
不動産投資は流動性リスクの高い投資として知られていますが、「物件選びに失敗しなければ一概にそうとは言い切れない。」という特徴もあります。

目次

0.動画で解説【不動産はすぐにお金にならない?】
1.流動性リスクとは
2.不動産投資における流動性リスク
3.株と不動産の違い
4.流動性リスクを小さくする方法
 必ず物件を確認する
 都心のワンルームマンションにする
5.不動産投資でやってはいけないこと
 利回りだけを見て決めない
 いきなりファミリー向けや一棟買いをしない
 地方の物件に手を出さない
6.まとめ

0.動画で解説【不動産はすぐにお金にならない?】

まずは、動画で解説しておりますので、ご確認ください。
動画の内容をまとめて補足したものは、次の章からご紹介していきます。

1.流動性リスクとは

流動性リスクとは、所有物を適正価格で現金に換えることができるかできないかを示しています。
簡単に言うと、売りたい時に売れやすいかどうかを示しているのが流動性リスクです。
「流動性リスクが低い」ものは、すぐに売って現金を手にしやすいですし、「流動性リスクが高い」ものは売るまでに時間がかかり、すぐに現金化ができません。

2.不動産投資における流動性リスク

不動産投資は流動性リスクの高い投資と言われています。
不動産を売るにしても、まず購入希望者が見つからなければいつまで経っても売ることができませんし、売れない期間に固定資産税などの支払いも積み重なってくる可能性もあります。

もちろん、早く売却するために、業者を探して依頼することもできますが、それでも売却できる確証はありません。
仮に見つかっても、不動産の内覧、売買金額の交渉、契約、登記などに時間を要するため、実際に現金を手に入れるまでには長い時間を要します。

3.株と不動産投資の違い

株式では「欲しい銘柄を、欲しい分だけ」買うことができますが、土地の場合はそれができないため、流動性リスクに大きな違いが生じます。
株式投資は証券市場が開かれているので、株を売りに出したときに購入希望者を見つけやすく、売買を成立させて現金を手に入れるまでの時間が短いタイプの投資です。
つまり株式投資は不動産投資に比べると、流動性リスクが低いと考えて差し支えないでしょう。

一方、不動産投資では保有している一部の株のみを売却するかのように、マンションや部屋の一部分のみを売却することは難しいです。
よって、不動産を扱う不動産投資は流動性リスクの高い投資と考えられるでしょう。

4.流動性リスクを小さくする方法

不動産投資は流動性リスクが高い投資ですが、やり方によっては流動性リスクをある程度下げることも可能です。
ここでは、具体的な方法を2つご紹介します。

必ず物件を確認する

まず、物件を購入する前に、必ず自分の目で確認してください。
理由としては、入居者が決まりやすそうか、いざというときに売却しやすそうかは、自分の目で確認しないとわからないからです。
入居者が決まりやすそうであれば空室リスクが低いと考えられますし、空室リスクが低いということは賃料収入が安定しており、流動性リスクも低いと判断できます。
リスクを把握するためにも内部や外観はもとより、周辺環境や管理状況までしっかりと確かめることをおすすめします。

都心のワンルームマンションにする

もしあなたが、これから不動産投資を始めるなら都心のワンルームマンションがおすすめです。
ワンルームマンションへの投資は、アパートやマンション一棟に投資するよりも、比較的少額で始められ、入居需要が高い都心の人気エリアに収益物件を持てるため、空室になりづらく流動性リスクを抑えることができます。
また、万が一不動産を手放すことになったとしても、東京一極集中による都心の単独世帯の増加などを背景に高い需要が見込まれるため、購入希望者が見つかりやすくなります。
つまり、購入希望者が見つかりやすい物件は流動性リスクの低い物件です。
流動性リスクを抑えたい場合は、都心のワンルームマンションを選んでください。

5.不動産投資でやってはいけないこと

ここからは、先ほどとは逆に「やってはいけないこと」を3つご紹介していきます。
「やってはいけないこと」を避けることで、不動産投資で成功できる可能性が高くなるので、ぜひ覚えておきましょう。

利回りだけを見て決めない

利回りだけを見て物件の購入を決めるのは厳禁です。
一見利回りが高い物件は、投資家にとっては非常に魅力的に見えます。
想定通りの利回りで運用ができれば投下した資金を早く回収でき、それ以降の収入は純粋な利益になるでしょう。
しかし、高額な修繕費が必要だったり空室リスクが高かったりなど、何らかのリスクをはらんでいる可能性も高いのです。

いきなりファミリー向けや一棟買いをしない

いきなりファミリー向け物件やマンション一棟買いに手を出すのは避けた方がいいでしょう。
マンション一棟を買ってしまうと、これらを丸ごと買える資金を持っている人はそう多くないため、手放すことになったときになかなか購入希望者を見つけることができません。
また、ファミリー向けの物件であれば金額的な問題は多少クリアできますが、ワンルームマンションよりは高額になりますし、ファミリーの場合は賃貸よりも購入して住む方が多くいること、「ファミリーなら借りるより持ち家」という層がいることを考慮すると、需要という面でも疑問符が付きます。
以上のことから、既に述べた通り、不動産投資をするときには都心のワンルームマンションがおすすめです。

地方の物件に手を出さない

地方の物件も手を出さないことをおすすめします。
地方は都心と比べて不動産の賃貸需要が低くなりがちで、流動性のリスクも高くなる傾向があります。
地方と都心で同じような間取りや条件の物件があったとしたら、都心を選ぶことをおすすめします。

6.まとめ

不動産はその特性上、流動性リスクを抱えています。
本記事の内容を参考にして、少しでも流動性リスクを小さくすることを意識しましょう。
そうすることで、不動産投資を成功させる確率を高くすることができます。

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。