不動産投資の物件と選び方

不動産投資で欠陥住宅を選ばない方法とポイント

欠陥住宅は、阪神淡路大震災をきっかけに、大きく取り上げられるようになりました。
それから、いくつもの法律ができ、以前よりはそのリスクが少なくなりましたが、今でも気をつけなければならないことに違いはありません。
そこで今回は、欠陥住宅の避けるために気を付けておきたい法律と、物件選びのポイントをご紹介していきます。

目次

0.動画で解説【欠陥住宅の見分け方って?」】
1.欠陥住宅とは
2.住宅品確法と瑕疵担保履行法
 2000年施行:住宅品確法
 2009年施行:瑕疵担保履行法
3.欠陥住宅を選ばないためのポイント
 中古物件のポイント
 新築物件のポイント
4.自分でできる簡単チェック方法
5.心配であればプロによる診断を
6.まとめ

0.動画で解説【欠陥住宅の見分け方って?」】

まずは、欠陥住宅の危険に対して大切な2つの法律と物件選びのポイントを動画で解説しましたので、ご確認ください。
動画の内容をまとめて補足したものは、次の章からご紹介していきます。

1.欠陥住宅とは

欠陥住宅とは、なんらかの不具合によって、住居として最低限備えておくべき重要な機能や性能を満たしていない住宅のことです。
手抜き工事はもちろんいけませんが、作業者の技術不足によって起こることもあり、しっかりと確認して作業を進めていかなければ、どの物件にも起こりえます。

そのため、工事中に別業者をいれて欠陥がないかチェックしながら工事を進める物件も増えてきましたが、すべての物件がそうなっているとは限らないため、今でも十分に注意する必要があります。

2.住宅品確法と瑕疵担保履行法

欠陥住宅への危険に対して、2000年に施行された住宅品確法と2009年に施行された瑕疵担保履行法という2つの法律が大切になってきます。
それぞれ、確認していきましょう。

2000年施行:住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

まず、2000年には住宅品確法という法律が施行されました。

住宅品確法とは、新築のディベロッパー、いわゆる開発会社がマンションを建てた際に、建物の主要構造部分に問題があった場合、10年間は無償で補償する必要があるという法律になります。
例えば、開発会社がマンションを建て、それを第三者に販売した場合、建物の主要構造部分にあたるコンクリート部分や水漏れが発生した場合は、10年間は無償で補償しなくてはいけません。
これまでは、建物の主要構造部分に問題があった場合の責任は、宅建業法により購入者に引き渡しをしてから2年であったのが、住宅品確法が施行されたことによって10年に延びました。
これにより、開発会社にもこれまで以上に緊張感が生まれ、いいマンションが作られやすくなりました。

2009年施行:瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)

次に、瑕疵担保履行法が2009年に施行されました。
瑕疵担保履行法は、不動産を販売する会社が仮に倒産したとき、ないし補償ができないときに備えて、事前に保険に加入することが義務づけられたものであり、これによりマンションに何かあったときに保険が適用されるで修繕できるようになりました。

瑕疵担保履行法の背景には、2008年に世界を震撼させたリーマンショックの影響があります。不動産会社もリーマンショックによって他の企業と同様倒産する企業が多くありました。
その後、倒産した不動産会社が建築したマンションに、瑕疵など補償の対象になることが起こっても、補償できる会社がいなくなってしまったので、本当に泣き寝入りの状態になってしまうこともありました。

しかし、瑕疵担保履行法によって、そうした時に保険が適用されるようになったため、以前と比べると購入する方の保護がなされていると言えるようになりました。

3.欠陥住宅を選ばないためのポイント

中古物件と新築物件でポイントがありますので、それぞれご紹介していきます。

中古物件のポイント

2000年の住宅品確法施行のときに住宅性能表示という性能評価証明制度ができたため、それがあるかないかを1つのポイントにすべきかと思います。
これは、その物件をのちのち売却するときにも大きな影響を及ぼすため、自分が保有している時はもちろん、売却する時にも非常に大事になってきます。
そのため、品質のいい中古物件などを選ぶことを考えると、住宅性能表示がついている2000年以降の物件がおすすめです。

新築物件のポイント

新築物件は、第三者が元々持っていたものを仲介されて購入する物件と比べ、自社で開発した物件を販売している業者(不動産会社)の方が、保証サービスの内容が良い場合があります。
また、自社で開発している物件の場合、法律上の保証に加えて「うちの会社ではこういった保証もついていますよ」という追加のサービスをつけている会社もあります。

新築物件に投資するのであれば、そういったアフターサービスをつけている新築物件に投資してみるというのがポイントになってきます。

4.自分でできる簡単チェック方法

自分でできるチェック方法には、次のようなものがあります。

・部屋を密閉した状態で匂いを確かめる
・床にペットボトルを置いて液体の振動をチェックする
・ボールやビー玉を置いて、物件の傾きを確かめる
・部屋の角は90度になっているか確認する
・ドアが自動的に開閉しないか確認する

など

こうしたものは最低限のチェック項目であり、自宅を購入するときと同様、投資用物件を購入する際にも、不安があれば専門家にチェックしてもらうようにしましょう。
ただ、中古マンションを不動産投資として購入する場合、すでに入居者がいるなどして、最低限のチェックができない場合もあります。
その場合は、ある程度欠陥住宅かも、と思った投資が必要になるので、心配な方には新築マンションをお勧めします。

5.心配であればプロによる診断を

欠陥住宅かどうかは、プロに診断してもらうことが一番です。

物件を購入する前にチェックすることによって、安心して購入することができますし、もし欠陥があれば売主と相談して、どちらが修繕費を負担するのかを決めることができます。
2018年、宅地建物取引業法の改正により築1年以上の住宅で「ホームインスペクション(住宅診断)」を行っているかどうかを売買契約前の重要事項説明で説明してもらえるようになりました。そこで確認してみるといいでしょう。
こうすることで、欠陥住宅を購入するリスクを避けることができますし、購入した後に売主と揉めることを避けることができます。

6.まとめ

欠陥住宅は、ある程度避けることができます。

中古物件を購入する場合は、住宅品確法と瑕疵担保履行法は最低限意識するようにしましょう。
また、新築物件は開発業者が販売しているような物件を選定し、プラスαのサービスを確認するようにしましょう。

,

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。