不動産投資の物件と選び方

「2018年地価公示価格」と「住みたい街ランキング」からみる不動産投資

2018年3月27日に国土交通省 が地価(1月1日時点)を公表しました。各メディアですでに目にした方もいらっしゃることでしょう。
地価だけではなく、今回の地価公示で特徴的な動きを示した地点の紹介についても国土交通省が公表したサイト でされています。

例えば、「東京都港区赤坂1丁目1424番1(港-4)」は、今回初めて住宅地で最高価格となりました。赤坂周辺は、大使館が近く、富裕層向けマンション需要が盛んで継続して地価が大きく上昇しました。その価格は、平成30年1月1日時点で、4,010,000円/㎡(前年比9.0%上昇)です。とても手の届かない別世界の話のようですが、ほんとうにそうでしょうか。

地価水準の高いエリアには住めませんが、資産運用という観点で考えると話は別なのです。
今回は、「住むこと」と「資産を持つこと」について、どう考えるべきかお話をしたいと思います。

地価は日本全国で上昇

全国の地価動向などがわかる「平成30年地価公示の概要」が国土交通省より公表され、全国的に地価が上昇していることが明らかになりました。
全国平均では、住宅地の平均変動率が10年ぶりに上昇し、商業地や全用途平均は3年連続での上昇となりました。三大都市圏と言われる東京、大阪、名古屋では住宅地・商業地ともに上昇し、うち商業地の上昇は3年連続となりました。

また、都市だけではなく、地方圏も上昇に貢献し、住宅地は下落幅の縮小が継続しており、商業地はなんと26年ぶりに上昇に転じました。
私見ですが、今回地価が上昇となったのは景気回復の兆しの現れと言えます。雇用や所得が改善されていく中、市中の金利はまだまだ低水準のままです。住宅の購買意欲も維持・継続されていくことでしょう。

東京都 も上昇傾向

地価公示価格は、東京都でも商業地、住宅地、工業地とも地価の上昇が続いています。23 区全体では、3.9%上昇(前年は3.0%)しており、全ての区において上昇が続いている結果となりました。
そのなかで、住宅地で上昇率が最も高かったのは、JR上野東京ラインの開通による交通利便性の向上に加え、区内各所での再開発事業の完成による住環境の改善等が影響し、上昇幅が昨年より大きく拡大した荒川区です。

反対に、上昇率が最も低かったのは、中央区です。千代田区や中央区では、昨年より分譲マンション価格の上昇が続いたことから、上昇する余地が小さくなっており上昇幅は大きく縮小 しました。両区以外のほとんどの区では、マンション用地需要が引き続き堅調なことなどから、上昇幅が昨年より拡大しました。
商業地では、渋谷区、中央区、台東区が躍進しています。中央区は複合商業施設「GINZA SIX」が2017年4月にオープンして話題になったばかりです。
私も行きましたが、海外高級ブランド店などが多く入居し、訪日外国人などの買い物客で賑わっていますよね。

東京都民が選ぶ「住みたい街ランキング2018関東版 」 1位は「吉祥寺」

株式会社リクルート住まいカンパニーが2月に「SUUMO住みたい街ランキング2018 関東版」を発表しました。総合1位は、「横浜」で、東京都民が選ぶ1位は「吉祥寺」で、2位が「恵比寿」、3位「池袋」、4位「目黒」、5位「品川」という順位となっています。
また、同調査では「住みたい自治体ランキング」というものを発表しています。1位「港区」、2位「世田谷区」、3位が「千代田区」です。港区の人気がある点では、芝・三田、赤坂・青山、麻布・六本木、白金・高輪、芝浦港南、台場など、誰もが知っているエリアが点在することです。
また、多くの有名企業などが本社を置いていることもあり、自治体の財力が豊かなことから安定した自治体サービスを受けられそうというイメージがあるのかもしれません。

また、「住みたい沿線ランキング」では、「山手線」が2位の東急東横線に2倍以上の差をつけてダントツの1位となりました。山手線は、現在29コの駅がありますがどの駅も主要な駅ばかり。確かに山手線内に住みたいと憧れますよね。
(注) 住みたい街ランキング調査は2018年から調査方法に変更があっため、前年データは参考値として考えてください。

住みたい街と資産を持つべき街は目的が違う

人気の横浜や吉祥寺は常に学生や若者に人気ですが、都内への通勤や通学を考えれば、都心に住むほうが断然に便利です。深夜でもタクシーに乗ればすぐに家に着きますし、災害の時も歩いて帰宅することができます。
しかし、住むことは現実的には難しく、高嶺の花で終わってしまいがちに。そのため、神奈川県の横浜や、武蔵野市の吉祥寺が選ばれる のも分からないでもありません。経済的に許されるなら都心に住んで、山手線で通勤・通学ができたらいいなというのが本音でしょう。毎日の満員電車は我慢するには辛いものですよね。

ただ、住むことは叶わなくても、好立地の不動産を自分の資産として持つという選択肢を考えたことはありますか?
例えば、先ほどの東京都の地価でもあげたような山手線の沿線や、港区、千代田区、中央区 エリアなどです。なぜなら、このエリアは賃貸需要が高く、資産価値が下がりにくいからです。これらの地域はすでに多くの建物が建ち並び、これから新しく建設するにも余地がありません。このような希少な土地は、東京のブランド地と言えます。ブランドの価値と信頼というものは、簡単には無くなりません。自宅として住むエリアと、大切な資産として不動産を持つためのエリアは、違って当然なのです。


ただし、これはビジネスの話になります。そのためにもしっかりとした資金計画の元に、自己資金もなるべく多く用意してほしいのです。
あなたの大切な資産になるのですから、決して負の資産にならないように、専門家のアドバイスも受けながら検討をしてみるといいでしょう。

FP事務所やさしいお金の相談室代表
(有)コスモスペース取締役社長
一般社団法人女性FP相続サポート協会理事

桑野恵子先生

マネー????エンジェル桑野恵子が、安心に暮らせるための不動産投資の魅力をお届けします。 エンジェルは投資の世界では資金を提供する富裕な個人のことです。桑野恵子は、資金援助の代わりに豊富な知識とノウハウを提供して資産を築いていくお手伝いをします。