ニュースから経済社会情勢を読み解く

東京23区への人口流入はいつまで続く?

1月29日に総務省から、2017年の住民基本台帳に基づく人口移動に関する報告が公表されました。

東京都の転入超過数(他県からの転入者-他県への転出者)は、7.5万人(前年は7.4万人)となっています。詳細は、転入者約41.9万人、転出者約34.3万人となっています。いうまでもありませんが、日本一の転入者数、転入超過数で22年連続の転入超過となっており東京への一極集中は、より鮮明となっています。

ちなみに、転入超過である都道府県は、超過数の多い順に東京、千葉、埼玉、神奈川、福岡、愛知、大阪の7都府県で、東京圏の4都県が上位を独占しています。東京への一極集中、東京圏人口の増加の様子が伺えます。(東京圏:東京、千葉、埼玉、神奈川。この4都県の転入超過合計は約12万人)

東京23区(東京特別区)の転入超過数は61,158人でダントツの1位でした。前年が58,207人でしたので、+2,951人となっています。また、東京都の転入超過数の8割以上は東京23区の数字ということになります。市町村別第2位は大阪市ですが10,691人で、その数は東京23区の1/6であり、その圧倒的な差が分かります。こうしてみると、東京23区への人口集中が進んでいるといってもいいかもしれません。

移動する方の年齢は圧倒的に20代が多く、移動者総数の20%以上となっています。
移動して東京都内に住む20代の人の住まいは、圧倒的多数が賃貸住宅であると言われています。その中で、家賃の高い東京23区内に住む場合は、たいていの人がワンルームマンションに住んでいると思われます。

東京への人口流入が続く理由

東京圏に人口が集中しているのは、景気回復が鮮明となっているからだと推測されます。。その中でも上場企業の大部分が本社を構える東京は、地方から出てくる若者にとって職探しがしやすいからだと思います。
東京の有効求人倍率(東京労働局データによると)は全年齢で1.48倍、24歳以下だと3.51倍となっており、24歳以下の場合、1人当たり3社以上の求人があることになります。若者にとっては、職に困らない街が東京ということになります。
いうまでもありませんが、有効求人倍率が増えると、人口流入が増えます。そして、地方からやってくる若者は、その大半が賃貸住宅で暮らすことになります。もちろん、親類宅、知人宅に身を寄せる場合もあると思いますが、その割合は僅かです。

このように、転入超過が続いていることは、都心にワンルームマンションを保有し、その賃料収入を得ている方にとって、この先も投資を行う安心感につながります。
現在のような好景気が続くとすると、もちろん東京23区への人口流入は続きそうです。しかし、過去リーマンショック後の景気後退時も転入超過状態だったことを考えると、例え景気が多少悪くなったとしても、東京23区への人口流入は続いていくでしょう。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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