最近、東京は「もう不動産価格が高止まりでないか?」とか、「オリンピック以降冷え込むのではないか?」などの声を聞くことがあります。
実際のところ、今の東京の不動産価格は割高か、割安かを知っておきたいところです。
ここでは東京の不動産価格と海外の主要都市の不動産価格を比較して、今は買い時なのかどうかを見ていきましょう。
外主要都市との不動産価格比較
2008年のリーマンショックは世界の不動産市場にも大きな打撃を与えました。
しかし、まだ完全に回復したとはいえないものの、年々回復傾向にあるのは事実です。
イギリスはEU離脱の決定により予想された大きなクラッシュが起こっておらず、不動産価格や賃料は多少下落したものの、ポンド安を狙った外国の投資家による投資もあり、価格は小幅な値下がりにとどまっています。
しかしながら、例えばマンション価格指数でいえばまだまだ東京の約1.4倍(2017年10月現在、日本不動産研究所調べによる)であり、ハイエンドクラス(高級住宅)の価格水準にいたっては、ロンドンは東京の約2.2倍となっています。また、賃料水準は約2.4倍です。
アメリカのニューヨークは、リーマンショックで一時落ち込んだ不動産価格も徐々に盛り返し、現在はリーマンショック以前の価格帯を維持しているなど、不動産価格は高水準にあります。
東京と比較すると、マンション価格指数は約1.3倍、ハイエンドクラスの価格水準で約1.2倍、賃料水準で約2.2倍となっています。
アジアの大都市、香港では、もともと地域の土地面積自体が狭いことから、不動産価格は高い傾向にあります。
また、現在も不動産価格は上昇しており、マンション価格指数では東京の約1.3倍、ハイエンドクラスの価格指数では約1.9倍、賃料水準で約1.7倍となっています。
東京の不動産価格
世界的に不動産価格は上昇傾向にあり、東京もオリンピック開催決定などにより、不動産を投資資産として購入しようとする人は増えています。
一見、東京の不動産価格は高止まりと思われがちですが、世界的に見ればまだまだ割高とはいえません。
また、ロンドンやニューヨーク、香港などと比較しても集積されている人口や生み出されるGDPの観点からみてもまだ割安の都市であるといえそうです。
今後、東京がオリンピックを皮切りに国際都市として進化していくかどうかが不動産価格の動向を左右するのではないでしょうか。
東京の「マンション」が注目されている?
東京は、海外投資家たちから不動産投資のターゲットとして注目されているといえます。
香港やシンガポールといったアジアの大都市はマンション価格相場が高騰しており、なかなか期待利回りを確保できません。
また、近年では移住や留学を目的として、自己利用するために購入するケースも出てきています。
なかでも、海外ではコンドミニアムがセカンドハウスや投資対象などとして利用されていることから、東京でもマンションが人気のようです。
また、中間層の個人投資家にとっても買いやすく、管理面を任せられる点からもマンションを選ぶケースが見受けられます。
東京は、国内においては最も価格が高いエリアです。
それがゆえに市場価格の上昇局面では、どうしても割高に見えてしまいます。
これから、国際化が進み、海外投資家や外国人居住者も購入者層と増えていく可能性があるなか、現在の東京の不動産価格はあとで振り返って見たときに決して高くはないのかもしれません。
不動産投資を検討されている方は、こうした俯瞰的な視点で今後の予測を立ててみてはいかがでしょうか。