不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

仮想通貨とワンルームマンション投資のポートフォリオ戦略

仮想通貨の盛り上がりとゆくえ

不動産投資を行っている方の中には、仮想通貨を購入している、あるいは投資として興味を持っているという方も多くいらっしゃると思います。

昨年中ごろから、一気に購入する人が増えた仮想通貨。年末~年明けにはかなり盛り上がりました。最も著名な仮想通貨であるビットコイン(以下BTCと略します)は、昨年(2017年)1月頃は1BTC=11万円前後、5月には1BTC=30万円前後でしたが、一気に価格上昇し、年末~年始にかけては1BTC=160万円代後半で取引されるまでになりました。1年足らずで、約10倍以上になりました。かなり儲けた人もいるようです。

しかし、そこから一転1月中旬くらいから大きく値を下げました。この時はBTCだけでなく、他の主要仮想通貨、イーサリアムやビットコインキャッシュ、ネムなども大きく値を下げました。ビットコインはそのご後、4月初旬に1BTC=70万円台で底を打ったようで、このところは上昇を続け1BTC=100万円台前半で推移しています。
この先BTCの価格がどうなるかはわかりませんが、投資対象に見合うかどうか、保有するかどうか、しばらくは注意して様子を見ておく必要があると思います。

仮想通貨は、投資商品?通貨?

私は個人的には、「価格が上昇するかどうか?」よりも、価格に安定感があるか?つまりボラタリティ(価格上下の振れ幅)がどれくらいの範囲で収まるか?に注目しています。
「仮想通貨」を投資対象のアセットとして見ていくならば、リスクテイカー趣向の投資家にとっては面白い商品だと思います。今年の年明け時期のように大きな値下がりリスクもありますが、逆に一気に上がる可能性を秘めていますので、夢のように儲かる可能性もあります。

一方、仮想通貨を「通貨」として見るならば、今のようにボラタリティが大きいような状況は、使い勝手としては問題です。もう少し価格安定感がないと通貨としての便宜はよくないと言えます。仮想通貨はブロックチェーン技術をつかっていますので、信用性は担保されていますが、交換通貨(あるいは基軸通貨)との関係では、後進国の通貨のような状況にあると言えるでしょう。

通貨の役割

それでは通貨の役割とはなんでしょうか?経済学的に「通貨」の役割は、以下の3つです。

① 決済手段 (価値の交換手段)

何かを購入する時に使います

② 価値の尺度

100円のものと200円のモノでは、200円のモノの方が、価値が高いとされます。

③ 価値の蓄積、保存

1万円を1万円の価値として置いておけます。
(ただし、インフレが激しいときにはこの限りではありません)

こう考えると、①は言うまでもありませんが、②③も通貨の安定感が必要な事がわかります。

仮想通貨投資と不動産投資の組み合わせ

不動産投資は、比較的長期目線での投資です。特にワンルームマンション投資においては、売買益を狙うキャピタルゲインよりも、長期的で安定的なインカムゲイン(賃料収入)をメインで考えて投資する方が圧倒的に多いと思います。
いまの、仮想通貨は将来ジワジワと値上がりを待つという長期保有の投資目線の日と人は少なく、一攫千金を狙う方が多いように見えます。このように、ワンルームマンション投資と仮想通貨投資は、投資の性格的には真逆にあると言えます。

仮想通貨投資を行っている方は、短期、高ボラタリティの投資だけでなく、対極にある、長期、安定的な、都心ワンルームマンション投資も行ってみると、ご自身のポートフォリオ的に上手い組み合わせだと思います。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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