不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

「不動産投資の利回り計算の裏側とキャッシュフローについて~不動産投資の収益構造~」

不動産投資の収益構造はどうなっているのでしょう。
利回り計算は第1回「利回りに惑わされず、いい物件を見抜きましょう」で軽く触れましたが、ここではもう少し詳細な説明をします。

まず、一般的な利回り計算の公式は、

表面利回り=年間想定賃料÷購入価格
純収益(NOI)利回り=(年間想定賃料-必要経費)÷物件価格 

でした。

想定賃料の計算

購入時は満室想定で計算すればいいのですが、実際には入居者は数年に一度のペースで入れ替わりますので、入れ替えに際して清掃やかんたんなリフォーム(修繕)にある程度の期間を要しますので、その期間分の賃料収入はありません。

そのため、純収益における年間賃料を細かく見ると、賃料×12か月-空室損失 が実際の賃料となります。(例えば、2年間で1か月の空室期間だとすると、0.5カ月換算)
ワンルームマンションで都心の一等地物件の空室想定は、2~4年間で1~2か月の想定と見ればいいと思います。これについては、立地や物件の質だけでなく、賃貸管理を委託する管理会社の業務スピードによっても影響しますので、管理会社の選定も留意しておきましょう。

また、長期収支シミュレーションを組む場合に賃料上昇下落想定をします。賃料は築年数、相対的な競争力で基本的には決まりますが、都心一等地物件においては、この点では安定感がありますので、20年目ぐらいから少しマイナスを見ておけばいいと思います。

賃料にプラスをもたらす最も大きな要因はインフレーションです。日本はここ20年くらいほとんどインフレ状況が見られません(消費税分は除く)。そのため、あまりピンと来ないかもしれませんが、インフレはお金の価値が下がるため、結果として賃料上昇をもたらします。この分をどれくらい賃料上昇に見込むかは難しいと思いますが、これからの日本経済は長期的に見るとインフレ基調だと予測されていますので、5年後くらいからすこしずつ見込んでもいいかもしれません。

保有時の支出経費

次に、支出についてですが、第1回(リンクをつけてください)で述べた中では、管理費、修繕費(修繕積立金)、固定資産税の3つを上げましたが、他にかかるものとしては、火災保険費用、原状回復費用(所有者が負担すべきもの)などがあります。こうして計算した収入から支出を引いたものを純収益といいます。 つまり、実際のキャッシュフローは、家賃収入だけでなく、支出経費を考慮する必要があるのです。

ここで大きな差がつくのは?

こうして考えると、同じ金額、同じ想定賃料の物件を買っても、まずローン金利により大きく収益が変わります。新築ワンルームマンションを購入する際には、管理費や修繕積立金はマンションの規模等により少し差がありますが、それ以外の費用はだいたい決まっています。なかには、修繕積立金などを安く見積もり、表面上のキャッシュフローがよく見えるものもありますが、それは望ましいことではありません。そうすると、やはり大きな差は金利ということになります。
また、投資内容が同じでも、その物件の評価や取り扱う不動産会社の評価によって、安い金利で調達することも可能となります。こうして詳細に見ていくと、まず、低金利の今は、不動産投資において有利な状況であることがより鮮明になってきます。さらに、市場の動きにより低金利の恩恵を受けるだけでなく、「どの不動産会社から買うか?」でも、低金利の恩恵が受けられます。
例えば、新築ワンルームマンションを購入する際には、供給数の多いデベロッパーなどで購入すると多くの提携金融機関を紹介してもらえ、自分に合った商品や、優遇金利を提示してもらえることも多いです。不動産投資をローンで考える人にとって、有利な不動産投資ローン利用しない手はありません。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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